熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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8.教育問題について
(1)総合教育会議の開催 |
◆(城下広作君) これは私の臆測ですけれども、やっぱり相手がバリ州だから、これはばりっと決めたという、そういう感覚かなというふうに思います。大変すばらしいということだと思っております。 時間がございません。教育問題について質問したいと思います。 ことしに入っても、相変わらず高校生や中学生が関係する事件や自殺のニュースは後を絶たないようです。 本年7月に起きた岩手県の中学生のいじめが原因と見られる自殺、大阪府寝屋川市での中学生が犠牲になった事件は記憶に新しいと思いますが、このような報道を見聞きしますと、やはり児童生徒の日ごろの生活態度や学校への出席状況がどうだったのか気になります。 特に、不登校が続くと、非行や事件、事故につながるおそれがあり、初期の対応が大事と言われています。 その不登校のきっかけに大きく関係するのが、いじめの問題と言われていますが、その解決はそう簡単ではないようです。 そこで、国は、2011年滋賀県大津市のいじめ自殺事件などを契機に、行政における責任の不明確さや危機管理の甘さに批判が集まったことで、地方教育行政の責任の明確化や対応の迅速化を目的に教育委員会制度を見直し、首長との連携を強化する改正地教行法が本年4月から施行されました。 そこで大事になるのが、この制度のもとで首長と教育委員会が地域の教育方針などを話し合う総合教育会議の設置であります。 その総合教育会議では、教育の基本方針となる大綱策定や、学校施設の整備などの予算や条例に関する内容、いじめ問題の対応などを議論し方向性を見出す役割が期待されています。 ちなみに、総合教育会議は、法律の規定により、地方公共団体の長が設置、招集することとなっており、会議は原則公開ですが、議事録の作成、公表は努力義務となっています。 そこで、第1点目の質問ですが、47都道府県の状況を見てみますと、6月1日現在で、開催未定が本県と島根県だけで、既に33府県が開催済み、12都道府県が開催予定だそうです。ちなみに、本県の46の自治体の開催状況も開催未定が多いようです。 そこで、お尋ねしますが、いじめ認知で、県や県教委は、全国に先駆け、児童生徒にアンケートをとるなど積極的に対応してきており、問題が生じれば、早急に関係者を呼んで改善を指示されていましたので、私は、当然、今回の総合教育会議の開催も、全国の中でもいち早く開催されるものと認識していました。しかし、結果は、全国の中でも一番遅い仲間になりました。 なぜこのような結果になったのでしょうか。何か特別なわけでもあったのでしょうか。遅れている理由と今後の開催予定をお尋ねします。 また、開催に当たっては、議事録の作成、公表はされるのでしょうか。住民の関心が高い問題だけに公開すべきと思いますが、公開の考えがあるのか、お尋ねをします。 次に、県下の市町村の開催も遅いようですが、もしかしたら県の開催状況が影響しているのではないかと心配しますが、県としては、どのように感じておられるのか、この問題は蒲島知事にお尋ねをします。 次に、第2点目の質問ですが、いじめ問題の対応についてお尋ねをします。 ことし7月の岩手県の中学生の自殺問題も、早いうちから児童が担任の先生にいじめの兆候をほのめかしていました。結果的には、この情報も生かされることはありませんでした。 本県でも、県がいじめ防止の早期発見の手段としてきた県下の児童生徒に対して行っているアンケート実施でも、平成24年7月、和水町で起きた中学3年の男子生徒の自殺問題は、残念ながらアンケートは機能しない結果となりました。 いじめの発見は、児童生徒の発信のあり方や家庭環境の違いで、家族もなかなか気づかなかったり、先生も余りの多忙で気づかないことや対応が遅くなるケースが多いようです。 このような現実を考えますと、いじめの兆候や具体的な相談があった場合、今までのように担任や一部の学校関係者で対応するには限界があるような気がします。 この問題に関しては、8月26日に行われた県いじめ防止対策審議会で、委員から、学校側で対応できない場合、外部の専門家を交えた体制をつくるべきだとの意見があったようですが、私も全く同感であります。 そこで、県は、県下の教育事務所に、校長のOBや警察官経験者など15名を、いじめや不登校の問題解決の専門家として、学校支援アドバイザーとして配置していますが、その活動についての実態と、いじめや不登校の解決にどれだけ成果が出ているのか、お尋ねをします。 また、県下の児童生徒の数や潜在的問題件数からすれば、県下で15名の配置で足りているのか心配しますが、今後人員をふやす考えはないのか、お尋ねをします。 次に、第3点目の質問ですが、児童生徒が犯罪や事件に巻き込まれるおそれがあるとして、スマートフォンの使用があります。家族など連絡を取り合う手段として大変便利な一面もありますが、悪質なサイトの利用や長時間の使用は、児童生徒に悪影響を与える問題をはらんでいます。 先月、地元大江校区の中学校とPTAが主催して、適切なSNSの使い方を保護者や地元住民に呼びかけ実施されました。私も声をかけていただき参加しましたが、内容を聞き、悪質なアプリのこと、スマホへの依存の高さ、性犯罪になる温床となる恐ろしさを改めて知ることができました。担当の先生は、一貫して、まずは家族が使い方や時間の制限、悪質なアプリのフィルタリングを勧められていました。大変参考になりました。 このように、スマートフォンの使い方に問題がある中、岡山県では、山陽新聞社主催、県教委、岡山市教委共催で、県内各地から中学生有志が集まって、スローガンを「勉強じゃ!スマホ手放せ 中学生!!」と掲げ、OKAYAMAスマホサミットを開催、スローガンを含む3カ条から成るおかやまスマホ宣言を決めたそうです。 本県は、それに先駆け、児童生徒のためのくまもと携帯電話・スマートフォンの利用5カ条を決め、取り組んでいます。 そこで、お尋ねしますが、利用5か条の第1条に「約束しよう!夜10時から朝6時は使わない」第2条に「設定しよう!フィルタリングは当たり前」と掲げてありますが、この取り組みは、県下の児童生徒にどれだけ実行されているのでしょうか。また、この実態を正確に把握するのは、家族の信頼関係がないと正確な数はつかみにくいと思いますが、どのような方法で実態を把握されているのでしょうか。 第2点目と第3点目は、田崎教育長にお尋ねをいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕 |