熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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10.インフラ整備の対策について
(1)県内事業者の受注への対応と技術者の確保 |
◆(城下広作君) 災害廃棄物のごみを、ある意味では選別しないで1カ所にどんと集めてしまいますと、場合によってはガスが発生して火災になることもあるという事例はたくさんございます。そのことから考えますと、やはり分類するというやり方というのは大変大事なことだと思います。 また、2番目に言いました、今回は地震で家がそのままどんと落ちていますので、中には大事なものがたくさんそこの中にそのまま残っております。これを、やはり被災を受けた方は、なるべく取り出したい、しかし、取り出すときに、仮に置く場所がない、それで大変悩んでおられて、どうにかして解体するときには立ち会いたい、そして少なくとも自分の欲しいものは取り出したい、そしてどこかに預けたい、だけど避難場所に預けると盗難にも遭う、いろんな心配があります。これをしっかりとケアしてあげるということで、私は、仮置きのやはり倉庫みたいな形の提供が大事だと。 ちょうど鐘も鳴りました。次の最後の質問に入りたいというふうに思います。 10番、インフラ整備の対策についてでございます。 今回の震災で、橋梁や道路、河川など公共土木施設の被害額が、県と市町村を合わせますと、およそ約1,900億円を超えると聞きました。これに農林水産関係のインフラ被害を加えると、さらに大きな規模になります。 この被災規模は、例えば昨年度の公共土木の事業予算と比較しても2倍以上の額となっており、どれだけ被害が大きかったか一目瞭然であります。 今後、余震が終息し、被害の全容が明らかになるにつれて、さらに被害額がふえるかもしれませんが、この被害から一日も早い復旧、復興をなし遂げ、今回御支援を賜った全国の全ての皆様に元気になった熊本の姿を見せることが最大の恩返しであると考えています。 そのためにも、公共土木施設では約3,500カ所とも言われる被災した現場の早期復旧が重要な鍵を握ると思いますが、その中でも、恐らく最大級の被災箇所である国道57号線、南阿蘇村阿蘇大橋地区の大規模な斜面崩壊の土砂災害緊急対策工事と国道325号線阿蘇大橋、また、俵山トンネルを含む県道熊本高森線、そして阿蘇長陽大橋を含む村道栃の木立野線については、県や村にかわり国が直轄事業として災害復旧事業を代行することが決まりましたが、私は大変ありがたいことだと歓迎をしています。 そこで、お尋ねをいたします。 まず、第1点目の質問ですが、今回の震災被害は、先ほどから述べましたように、予算規模からも、箇所数からでも、今までに類を見ない大規模な被害状況です。 本県の今後の最大の目標としては、一日も早い復旧、復興をなし遂げることは言うまでもありません。 そのことからしますと、復旧、復興に当たっては、県内土木・建設業の総合力を遺憾なく発揮して対応するしかないと思いますが、今回の震災への対応については、県はどのように考えておられるのか、お尋ねします。 また、昨今、土木・建設業内では、技術者不足が懸案になっていましたが、今後、東京オリンピックに関する施設整備等が本格化する中、今回の震災の復旧、復興に当たり、技術者の確保に関し特段影響がないのか、お尋ねをします。 次に、第2点目の質問ですが、今回の震災で、もしかしたらと思っていた出来事が起こってしまいました。 それは、測量関係に従事をしている方は想定がつくのですが、私たちの大切な財産である土地、さらに大きく言えば、日本の国土に関し、その位置や面積を定める基準点があるわけですが、今回の震災で震災前から震災後は大きくずれやひずみが生じているようです。 具体的に見てみますと、基準点の管理をしている国土地理院の発表によれば、例えば南阿蘇村長陽にある電子基準点は、宇土市方面に向け97センチ移動し、熊本市龍田の電子基準点は、阿蘇方面に向け75センチ移動しており、そのほかの電子基準点も東西南北に入り乱れて移動しているようだと伺っています。 ちなみに、東北大震災では、5メートル30センチ移動したところもありますが、移動した方向は、日本海側から太平洋側に向けた一方向のみでした。 通常はこのようなずれ方をすると言われていますが、本県を襲った地震では、東西南北にずれが入り乱れ、震度7が時間を置かず2回発生することも珍しければ、このようなねじれの地殻変動も珍しいということになります。 そこで、お尋ねしますが、今、鹿児島県を除く6県の測量協会や土地家屋調査士会に、それぞれの一部の地域の基準点測量成果の公表が4月15日付で停止されています。 これは、どのような影響を及ぼすかと言えば、今までの位置関係と今後測量される位置関係が変わるということになります。 そこで心配されるのが、今後、復旧、復興に向けた工事の測量や設計、また、地籍測量や土地の登記など、さまざまな分野に影響を及ぼすおそれがあります。 今後、国土地理院が国家基準点の補正パラメーターの作成、公表をし、その位置関係が適切に処理されると思いますが、そこでお尋ねをします。 本県としては、今回の土地のずれやひずみの影響をどのように捉えているのか。また、これだけの基準点の変化があれば、例えば県有財産などの公共の財産と個人の財産の間に何かしらの影響を及ぼし、トラブルに発展する可能性があります。 そこで、今後の復旧、復興の足かせにならないよう、例えば県の測量協会や土地家屋調査士会、司法書士会や不動産関係の協会などと連携し、情報の共有化を図るべきと思いますが、以上2点、今後の対応について、手島土木部長にお尋ねをいたします。 〔土木部長手島健司君登壇〕 ◆(城下広作君) これで予定した質問は全て終わりましたが、時間がないと思って早くしてしまいましたけれども、時間が少し残ってしまいました。 最後の質問でございますけれども、県内これだけ傷んだ箇所がございます。今、現場では、測量であるとか、設計であるとか、徐々に展開をされ、最終的には、それが工事となってかかわってまいります。県内の建設業の皆さんには、大変また御苦労をおかけしますが、全力で...... ◆(城下広作君) (続) 復旧、復興に頑張っていただければ、県民も安心をするというふうに思います。ぜひ頑張っていただきたい。そのためには、総合力で頑張られることが一番近道ではないかと、私自身はそのように思っております。 また、最後の質問でございますけれども、基準点といいますか、測量の分野でございますけれども、これは、今後、私たちの土地、財産に係る大きな問題として後々トラブる可能性がありますので、最初にしっかり押さえておくべき基準点の処理というのは大事なものだということで取り上げさせていただきました。 以上が予定した項目でございました。御清聴本当にありがとうございました。(拍手) |