熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

8.空き家対策と新たな制度への対応について

(1)空き家対策の重要性の認識
(2)新たな制度による被災者支援

◆(城下広作君) せっかくデジタルサイネージをつくるとすれば、なるべく大きなものをつくっていただきたいと思います。やっぱりどうしても画面が小さいとかなると目立ちませんし、見にくいということで、いろいろやられているということでございますが、さらに、今からもっともっと大きく広めていただきたいと思います。
そして、Wi-Fiですけれども、県もしっかり国の支援等使ってやっているというんですけれども、同僚の前田議員に言わせますと、まだまだ足らぬというふうに私も聞いておりますので、まだまだ力を入れてばんばんやらんといかぬのかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
では、次、8番目の質問でございます。
空き家対策と新たな制度への対応についてでございます。
人口減少や高齢化に伴う世帯数の減少によって、全国の空き家は約820万を数え、そのうち、賃貸住宅は420万に上ると言われています。
平成25年度の総務省の住宅・土地統計調査によれば、本県の空き家率は14.3%で、全国の13.5%よりも約1%高く、全国では24番目の高さであります。ちなみに、県内で一番高いのは、苓北町を除く天草地域で19.2%だそうです。
本県の具体的な空き家数で見てみますと11万4,800戸で、この数字は年々増加傾向にあるようです。県内の市町村も、この空き家対策に関心が高いようで、既に独自の調査を開始したところが25市町村、実施中が14市町村、予定が5市町村、1町だけが予定なしの状況にあるようです。
私は、この空き家の有効活用が大変重要だと考えていますが、空き家対策の重要性の認識についてお尋ねをします。
次に、本県の県営住宅の昨年度の応募倍率を見てみますと、県下の平均で4.02倍、最も高いところでは53倍でした。この数字から見ますと、住宅を希望される方が大変多いということがうかがわれます。ただ、県営住宅を希望される方の中には、民間住宅より比較的家賃が安いことから希望される方が多いという見方もありますが、それでも住宅を希望される方は間違いなく多いと思います。
さらに、このように住宅を求める方の多さに加え、本県は、昨年の震災で多くの方が家をなくされた状況がございます。そうした方々の大半の皆様が、応急仮設住宅やみなし仮設住宅に一時的に身を寄せられています。しかし、この応急仮設住宅も原則2年という入居期限がありますし、みなし仮設住宅の提供も2年で切れてしまいます。
その期限が迫りますと、昨年12月28日現在で、県下の応急仮設住宅に住まわれている、およそ1万1,000人の方々や、みなし仮設住宅に住まわれている、およそ2万9,000人の方々が、新たな住居を探さなければなりません。もちろん、その中には、自分で住宅を新築される方もおられると思いますが、高齢者や震災で仕事を奪われた方々などは、なかなか自分で住居を購入することは難しく、公営住宅等を希望される方が多いのではないかと予見されます。
ただ、応急仮設住宅やみなし仮設住宅から受け入れるだけの公営住宅は今のところ余裕がなく、新設の公営住宅も財政的な面から要望を満たすだけの戸数をつくれるかは、なかなか難しいと推測されます。そこで、その一端を担う可能性があるのが空き家だと思います。
現在、国土交通省は、高齢者や障害者、子育て世帯などのうち、住宅を確保することが困難な人たちを支援するため、新たな住宅セーフティーネット制度の創設を閣議決定し、今国会での成立を目指しているようです。
制度の中身は、地方自治体に専用住宅として登録された空き家、空き室に高齢者が入居する際、国などが最大月額4万円を家賃補助する内容で、対象は、月収15万8,000円以下、賃貸契約の際に必要な家賃の債務保証料も最大6万円補助し、家賃の半額程度とされる保証料の負担を軽減する内容となっています。
また、円滑な入居を促す支援策として、NPO法人や自治体、不動産関係団体らで構成する居住支援協議会を拡充し、NPO法人などを居住支援法人として新たに指定し、住宅情報の提供や入居相談とともに、家賃の債務保証を支援する。受け入れ家主に対しては、耐震化に向けた改修など1戸当たり最大200万円を補助し、住宅金融支援機構の融資も受けられるような内容と伺っています。
ぜひこの法案が成立することを大いに期待をしたいと思います。この法案が成立しますと、先ほどから述べてまいりました、今回の熊本地震で住宅を失った方々や高齢者の方々、また、子育て世帯の方々にとって、住環境確保に向けた希望が持てることになります。さらに、この新たな住宅セーフティーネット制度の創設については、地方自治体の関与も明記されています。
今回の震災で我々の生活の基盤となる住まいの確保について、日夜頭を悩まされ、不安で眠れない夜を過ごされている方も恐らく多いと思います。そうした方々が少しでも安心していただけるように、今回の新たな制度による空き家等を活用した被災者支援も考えられるのではないかと思います。
これらの2点について、手島土木部長にお尋ねをいたします。
〔土木部長手島健司君登壇〕