熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.「2050年カーボンニュートラル」に対する本県の対応について


◆(城下広作君) 情報化推進計画を3月に策定するということでございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。また、民間人の活用、いろんな形で、熊本もデジタルに劣らないような形で、他県よりもすぐれて頑張っていただきたいと思います。
 ちなみに、日本は、このデジタルに関して、政府のランキングですけれども、2014年には6位だったそうでございますが、2020年、昨年は14位まで後退したということで、世界的に見ても、OECDの中で、日本はだんだんだんだんデジタルの順番は下がっていくと、非常に、ある意味では先進国かなと思ったところが、厳しい現状があるようです。次元は違いますけれども、県も、よその県に負けないような形で、デジタル化でぜひリードして頑張っていただきたいというふうに思います。
 では、次の質問でございます。
 2050年カーボンニュートラルに対する本県の対応についてでございます。
 国は、昨年末、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、実行計画、グリーン成長戦略を策定しました。
 世界の温暖化対策でよく知られているのが、温暖化対策の新国際枠組み、パリ協定ですが、今年で発効5年目を迎えます。その間、アメリカのトランプ元大統領が枠組みから突然離脱を表明しましたが、バイデン政権に代わり、再び枠組みに戻ると表明されています。
 アメリカという超大国ですら揺れ動く脱炭素社会の実現には、大きな壁があるようです。パリ協定では、産業革命以降、世界の気温が急上昇したことにより温暖化が進み、それを抑えるため、産業革命前と比べ、平均気温2度未満、できれば1.5度未満に抑えることが目標と言われています。
 今コロナ禍で世界中が苦しんでいる最中ですが、今日世界で起きている自然災害の原因の一つに温暖化が挙げられ、地球の非常事態とも言われています。
 このような現状を踏まえ、国は、昨年秋、国を挙げて取り組む決意を示す気候非常事態宣言決議を超党派で採決し、年末には、国・地方脱炭素実現会議を立ち上げました。
 そして、脱炭素社会実現に向け、具体的な取組として期待される新技術、制度として、クリーンなエネルギーの水素の活用、CO2に価格をつけて、排出量に応じて企業などに求める炭素の価格化、CO2を分離、回収して地中深くに貯留する固定化、洋上風力発電の設置推進などが考えられているようです。
 特に、洋上風力発電の推進では、2030年までに原発10基分に相当する10ギガワットの能力を確保するとしています。このことを見ても、国の脱炭素の実現に向けた本気度が伝わるようです。
 そこで、本県の脱炭素社会の実現に向けた取組を見てみますと、2050年までに企業が自らの事業用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指すグローバル企業の国際的な枠組み、RE100、その中小企業版となる日本独自の取組、再エネ100宣言、RE100アクションが、一昨年、2019年10月に始まりましたが、この再エネ100宣言の対象は、年間の消費電力が50ギガワット時未満の企業、自治体、教育機関などで、全国に約100団体あるようです。
 本県は、この取組に参加する県内企業等を応援するため、2019年12月に、都道府県として初めてとなるアンバサダーに就任しました。また、2050年度までにCO2排出実質ゼロを目指すことを宣言しました。さすが環境立県を目指す県は違うと、改めて実感しました。
 そこで、蒲島知事にお尋ねします。
 宣言の中で、県自らも再エネ電力優先調達等について検討しながら、企業などの皆様の再エネ100%に向けた取組を応援していきたいと考えていますと表明されています。
 県の方針は、国の方針と一致するものであり、多くの県民の理解も得られると確信します。
 そこで、これまでどのような取組や支援を行ってきたのか、具体的な事例をお教えください。そして、本県の今後の脱炭素社会の実現に向けての方針をお尋ねいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕