熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.生成人工知能(AI)の活用について

(1)知事部局での対応
(2)教育庁での対応
(3)警察本部での対応


◆(城下広作君) 県内雇用については、もう本当に多くの方が、やはり熊本の雇用の数の増大といいますか、より多くの、一人でも多くの方をある意味では雇っていただきたいという要望が強くあるということを改めて申し述べておきたいというふうに思います。
 道路に関しましては、午前中でもございました。いろんな形で、しっかりとスピードを持ってやっていく、5年、10年という計画も具体的に言われました。
 やはり、道路を造る場合には、どうしても買収というのがかかる。しかし、今、価格がとにかく異常に高騰している、こういう中で買収がスムーズにもしかしたらいかないんじゃないかと、こういう懸念もありまして、従来であれば、用地を買収して工事をしていく、そういうやり方を、まずは先行して用地だけを先に買って、工事はその後についてくる、こういう考え方もしっかり持たなければならないのではないかというふうに思います。
 そして、地下水に関しては、これは、先ほど知事が、責任を持って、先頭を切って頑張っていくと言われました。多くの県民の方が、このことに対して心配する声が非常に大きいということは、よく理解をされていると思います。それに、本当に安心して対応しているということを伝えていくことが非常に大事、説明責任が大変求められると思いますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 生成人工知能、AIの活用について質問いたします。
 この数か月、新聞紙上で一番多く私の目にとどまったのは、AIの活字でした。それと同様、チャットGPTも同意語のように扱われ、あまり関心を持たなかった私でも、AIについて詳しい内容を知る必要があると、過去の新聞記事を読みあさり、読み返しました。
 その内容を知るにつれ、大変便利な世の中になったなと思う反面、効率化だけを求める中で、探求心や創造力の退化、誤った情報に振り回されるおそれを私は感じました。
 このAIの問題、さきに開かれたG7広島サミットでも重要な課題の一つに取り上げられ、様々な問題を抱えていることから、年内を期限として、国際ルールの策定に向け、まとめることに一致したようです。
 では、実際、どのようなことが心配されるのか。特に、チャットGPTのような対話型生成AIで見てみますと、インターネット上でのデータを学習するため、偽情報拡散のほか、著作権侵害や個人情報流出の懸念があるようです。また、強権国家にしてみれば、情報を操作し、国民世論を統制することにも利用されるおそれがあります。
 しかし、このような心配事があっても、やはり仕事のスピードアップにつながれば、使いたくなるのが今の社会であり、人間のようです。
 では、国内の政治や行政の分野における利用の状況を見てみますと、神奈川県横須賀市では、全国で初めてチャットGPTを今年4月20日から約1か月間利用できるようにすることを決めました。また、宮城県や埼玉県戸田市では、個人情報漏えいや著作権侵害などを防ぎながら、安全に利用するためのガイドラインの作成に着手したと聞いています。
 ほかにも、熊本市をはじめ、今後積極的に取り組もうとしている自治体も多いようですが、一方では、鳥取県のように、予算編成や政策策定、議会の答弁作成など、県の意思決定に係る業務での使用を禁止すると発表している自治体もあります。
 また、神戸市では、5月、チャットGPTなど文章や画像を作成する生成AIを職員が業務で利用するルールを定めた条例改正案を5月定例市議会に提出、可決されています。
 このように、自治体でも様々な解釈がなされ、対応が分かれているようです。
 そこで、蒲島知事にお尋ねしますが、まず、本県において、チャットGPTなどの生成AIについてどのような感想をお持ちか、お尋ねをします。
 また、今後、本県として、チャットGPTなどの生成AIの活用についてはどのように対応しようとしているのか。例えば、使用に関するガイドライン等を作成するなど、今後の活用予定をお伺いいたします。
 次に、白石教育長にお尋ねします。
 チャットGPTなどの生成AIを活用しますと、例えば作文などは、テーマと文字数を指定すれば、ものの数分で一般的には遜色のない文章ができるといいます。また、これをAIが作成したとは誰も見抜けないのではないかと言われています。ほかにも、各分野の宿題があったとしても、いとも簡単に答えてくれるといいます。
 これでは、個人の学習能力の向上に心配する声が上がると思いますが、本県の学校現場におけるチャットGPTなどの生成AIについてどのように対応されようとしているのか、お尋ねをします。
 最後に、警察本部長にお尋ねをします。
 まさに、警察業務において取り扱う情報として、個人情報や捜査情報など機密性の高いものがあります。これらが漏えいすることが絶対あってはなりませんし、漏えいすることはないと理解しています。ただし、過去にあった事件などを調べる手がかりとして、オープンにされた裁判記録やメディアの情報など、AIが答えた情報が参考になるかもしれません。
 そこで、今後の県警察におけるチャットGPTなどの生成AIの活用についてはどのように考えておられるか。
 以上、お尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕