熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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3.TSMC進出に係る水問題について (1)排水中の化学物質の監視 |
◆(城下広作君) 少子化対策については、知事もしっかりと考えがあり、頑張られると確信をしておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 では、3番目の質問に移ります。 TSMC進出に係る水問題についてでございます。 熊本県にTSMCの進出が決まったことで、やはり一番と言ってよいほど関心が高かったのが地下水への影響でした。私もそうですが、この問題については、多くの議員が、この議場で、地下水の枯渇と水質保全の心配、その対策を強く訴えてこられました。 木村知事も、選挙期間中、自身の10の約束の中で一番目として挙げられたのが「県民の命と暮らしを守る!」として、熊本の宝である水資源の保全など、安心安全な熊本づくりと訴えられておられました。 その決意の表れが、先月27日に設置された地下水保全推進本部の設置だと思いますが、結果を見ながら見守りたいと思います。ただし、問題が発生した場合は、速やかな対応を求めていきたいと考えています。 そこでお尋ねしますが、まず第1点目は、半導体を生産するためには多くの化学物質を使うと聞いています。大半は半導体の洗浄水として使用され、最終的には排出されるのですが、台湾で検査される化学物質と日本国内で検査やモニタリングされる化学物質には、その項目に違いがあると聞いていますが、国内での廃水排出に当たり、何か問題は生じないのか、お尋ねをします。 第2点目に、半導体関連産業の集積に伴う排水対策についての問題です。 TSMCを含むセミコンテクノパーク周辺における半導体関連産業の集積に伴い、工場排水の増加が見込まれ、既存処理場である熊本北部浄化センターの能力不足が懸念され、新たな処理場の整備が必要となり、県では、同センターを最大限活用しながらも、新たに特定公共下水道事業の事業化を決定することになりましたが、建設場所や排出先を気にする住民も多いと思います。 そこで、新処理場の予定地や建設に関する今後の予定についてお伺いをいたします。 また、新処理場の規模は、施設を利用する見込みの地域や住宅や企業の数により施設の規模が決められると思います。 過日、木村知事は、TSMC周辺に第3工場も視野に入れながら台湾本社に売り込むとの発言もありました。 また、ソニーは、先月31日、第2工場も発表されました。今後も周辺企業の増設や新たな企業が進出すれば、予定される新処理場の規模の計画に影響するのではと心配をします。 現に、既存の熊本北部流域下水道処理施設も、建設当初の排水計画を大きく上回ったため、今日までに増設を重ね、対応せざるを得なかったわけですから、今回の新処理場の計画に当たっては、今後の予想を慎重に見据えた上での事業計画が必要と考えますが、どのような対象区域や流入水量を想定し計画されようとしているのか、お考えをお示しください。 第3点目は、地下水の保全に資する取水量の削減の対策についてです。 これは私の持論でもありますが、やはり地下水の取水を抑制するのに効果が出るのは、使用した量に対して課税する取組ではないかと私は確信していますが、実現には至っておりません。 現在の県の対応は、地下水財団等への寄附や農地への涵養が中心ですが、私は、この取組に不安を感じています。 例えば、地下水財団等への寄附金は、地下水取水者全員が負担し拠出しているわけではないため、不平等です。また、進出企業による井戸の取水申請が今後ますます増え、地域の農地が宅地や工業用地に転換されていくほど、地下水涵養に適した農地の確保に限界が生じてくるのではないかと心配になります。さらに、涵養地を広げると、補助金に頼り農作物の作付をやめる方も出るおそれがあることから、本来の農地の役目が失われる心配も出てきます。 そこで、今後の地下水保全に資する取水量削減に向けた対策についてどのように考えておられるのか、お尋ねをします。 以上3点、木村知事の考えをお尋ねいたします。 〔知事木村敬君登壇〕 |