熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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1.県内の景気・雇用・金融対策について
(1)景気雇用対策 |
◆(城下広作君) 公明党の城下広作でございます。党を代表して質問をさせていただきたいと思います。 きょうも朝から雨が降ってまいりまして、大変過ごしやすいような日にちになりました。熊本市内では秋の例大祭がありまして、ドーカイ、ドーカイという言葉がよく耳に入るんですけれども、今の政治の状況に、景気はどうかい、そして雇用はどうかいというふうに私は聞こえてなりませんでした。まさに今の民主党政権、しっかりこのことを踏まえて頑張っていただきたいというふうに思います。 民主党の長い長い代表選が終了し、ようやく菅代表が再任され、菅総理のもと、第2次菅内閣が発足しました。民主党の皆様、まずはおめでとうございます。 しかし、その間、日本経済は円高、株安がとまらず、もうあかん状態でした。代表選中、菅総理が打った対策は、1に雇用、2に雇用、3に雇用ではなく、1に小沢、2に小沢、3に小沢対策じゃなかったかと、私ではなく周りの人が言っておりました。 代表選が終わり、経済対策を自覚されたのか、円高対策を打たれ、円売り、ドル買いのため為替介入の検討を打ち出したら、市場は即座に反応しました。これを市場は待っていました。 ただ、ここでも、打つ手が遅いという声やまだまだ採算に合う水準じゃないと、厳しい意見が聞かれます。今後は、10月1日から始まる臨時国会で、景気・雇用対策、外交問題を初めとする難問に速やかに対応すること、それがすべての国民の願いであることは十分承知のことと思います。 このように、政府が必要な時期に景気・雇用対策を打ち出さなかったことで、本県の景気、経済は大きな影響を受けてきたと思います。 ところが、今議会の知事の議案説明要旨の中で、景気動向及び雇用の情勢について、知事は「県内の景気動向については、穏やかに回復しつつあるとされています。」そう言われ、「先行きは不透明となっています。」とか「雇用情勢は有効求人倍率、完全失業率ともに改善傾向にあるものの」云々「依然として厳しい水準にあります。」と説明されました。 この説明を聞いて、私は、県の景気や雇用情勢が厳しいのか厳しくないのかよくわかりませんでした。少なくとも私が知る範囲では、中小企業経営者、自営業者、農業、漁業、サラリーマン、パートタイマーなど、景気が上向きになったと聞くことがありません。当然、私が知らないだけで、上向いてきたと喜んでいるところもあると思います。 そこで、蒲島知事にお尋ねします。 本県の景気・雇用情勢は、県全体では厳しいのか、それとも回復の兆しにあるとお思いなのか、どちらでしょうか。そして、好調な業種があるとすれば、それはどのような業種でしょうか。また、逆に、厳しい業種はどのようなところと認識されているのか、お尋ねします。 また、今回の補正予算では、学校や病院の耐震化や介護職の賃金上乗せ、若干の緊急雇用対策事業が盛り込まれていますが、これはほとんど昨年夏の自公政権が示した緊急経済対策であり、今の政府での真新しい景気・雇用対策はないように思いますが、知事の感想はどうでしょうか。また、今回の補正予算は、県下の景気、雇用の情勢に対して十分な予算措置がとってあるとお思いでしょうか、お尋ねをします。 第2点目の質問ですが、景気動向も大変気になるのですが、雇用問題も大変深刻な問題です。リストラや賃金の減少は、一家を支える中高年には大変深刻な問題で、家を失い、子供の進路にも影響を及ぼし、社会問題となっています。 同じように、雇用の問題で深刻なのが、若者、特に新卒者の雇用の問題です。ことし卒業の大学生の就職率は、2年連続の低下となる60.8%でした。第2氷河期とささやかれ、就職留年が急増しているそうです。その背景には、企業側の新卒者至上主義があり、学生には新たな経済負担がかかるとしても、希望する企業に入るために、やむを得ず卒業の延期を目的に留年を選択するそうです。 公明党は、与党時代からこうした実態を訴え、数々の学生支援を実現してきました。今回の参議院選挙のマニフェストで、新卒未就職者対策として、新卒要件を卒業後3年まで緩和することを提案していました。 ところが、今回の政府の緊急経済対策の中にほぼ同じ内容のものが打ち出され、過去にも、児童手当は名前を変え子ども手当となり、各種がん対策も、急に政府はプロジェクトを組み始めているようです。公明党の政策がよほどいいのか、よくぱくられます。 いずれにしても、若者の雇用対策は喫緊の問題であり、今回の緊急雇用対策の柱である若者対策の、一定期間雇う企業に奨励金を支払うとして、今春卒業者から卒業後3年以内に広げるとしていますが、企業が協力しなければ絵にかいたもちに終わります。 そこで、お尋ねします。 本県の今春卒業した大学生の就職率はどうだったのか、また、県内企業においても、いわゆる新卒者至上主義の傾向はあるのか、あるとすれば、今後県はどのような対策をとられるのか、お尋ねをします。 第3点目の質問ですが、県内の中小企業の金融支援の状況についてお尋ねをします。 昨年12月15日から、中小企業金融円滑化法が施行されました。構想が発表された当初は、返済猶予法、モラトリアム法として話題を呼び、ちまたでは、すべての借金が3年間返済猶予されるといったうわさもあり、大変期待された方もおられたようです。 しかし、すべての借金を一括返済猶予するというのは影響が大き過ぎることから、返済が厳しい個々の企業の借り入れについて、金融機関は返済緩和に努力するという現実的なものに落ち着きました。 ただ、厳しい経営状況にある企業にとっては、一時的にであれ返済が猶予されるだけでもありがたい制度に変わりはありません。県内でも相当の企業が利用され、非常に助かったとの声も聞いていますが、ある企業から次のような大変気になる話を聞きました。当初、返済期間5年で借り入れていたが、返済が厳しくなり、1年間の返済猶予を認めてもらった、当面は大変助かるのだが、返済の最終期限がそのままなので、返済猶予が終わって返済が再開された後は毎月の返済額が逆にふえてしまう、最終期限も1年間延ばしてくれればさらに助かるのだがとのことでした。このような声は意外と多いのではないかと思います。 そこで、お尋ねをします。 県内における中小企業金融円滑化法の利用状況とその評価、また、先ほどのような返済が猶予されても最終期限がそのままであるため月々の返済額がふえてしまうようなケースの条件変更等は可能なのか、お尋ねをします。 最初の質問は蒲島知事へ、2問目、3問目は商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕 |