熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
6.自転車の安全利用に係る本県の条例制定について
◆(城下広作君) ぜひ、効率的な浄化槽、このことも視野に入れて頑張って取り組んでいただきたいというふうに思います。
時間がありませんので、6番目に行きたいと思います。
自転車の安全利用に係る本県の条例制定についてお尋ねします。
この問題は、ことし2月、定例県議会の代表質問で取り上げさせていただきました。
前回の主な内容は、07年の道路交通法改正に伴って、自転車の車道走行の徹底や自転車走行の交通違反例を挙げ、取り締まり強化を訴えたことや自転車の安全利用の推進を図るための条例制定の考えをお尋ねしました。
前回の質問から1年たっていないのですが、今回質問するに至ったのは、やはり自転車の交通違反や事故は後を絶たず、県内でも自転車による死亡事故や重篤な事故が、ここ最近立て続けに起こっています。
そうした中、最近では、ブレーキのついていないピストと呼ばれる自転車が町中を堂々と走るなど、自転車事故の多発を心配する声もさらに高まっています。
こうした事態は、全国どこでも同じような状況なのか、警察庁は、去る10月25日、自転車は原則車道を走るなどとした交通ルールの徹底を全国の警察本部長に指示し、ルールを守らない行為を積極的に指導、取り締まってこなかった従来の方針を転換し、自転車利用者のルール・マナー違反の是正に乗り出したと聞いています。
警察庁の打ち出しから約1カ月、自転車が自動車と同様車両扱いになること、罰金や刑罰が決められていること、自転車は原則車道を走らなければならないことなどを知らなかった人たちには、大変戸惑いがあったと思います。この1カ月間の取り締まりの状況と結果が大変気になるところでございます。
そこで、私が改めて提案したいのが、自転車利用者のルール・マナー違反を抑えるためには、取り締まりの強化は当然のこととして、それと同時に、自転車を利用する県民の安全運転意識の向上を図ることだと思います。そのためには、自転車の安全な利用促進を柱とした、自転車の安心、安全な運転を呼びかける条例の制定が必要であると考えます。
ことし7月、全国の都道府県の中では最初に条例を策定した京都府に、なぜ条例の策定に取り組まれたのかを詳しく聞くため、視察に行ってまいりました。
そこで、府警や道路管理者、教育関係などから話を聞くことでわかったことは、京都府内、特に京都市内は学生が多く、自転車を利用する者が多いことで、自転車事故が年々増加していること、自転車利用者のマナーの悪化、特に府民のアンケートでも、自転車が怖いと答えた人が8割いたということ、そして知事のマニフェストに取り上げられていたことが大きな要因だったようです。その後、京都府の条例制定がきっかけで、京都市でも同様の趣旨で条例が制定されました。
京都市の条例の特徴は、国際観光都市として、観光客に歩く魅力を満喫できるようにとの配慮から、自転車のマナー向上により、もてなしの心の呼びかけを盛り込んでいるところです。
京都府の条例制定後の状況は、自転車事故件数やマナーの向上に少しずつ効果があらわれているということでした。
いずれにしても、今後、エコや健康増進など、幅広い観点から自転車の利用者がふえてくることは本県でも十分に考えられます。それに対処するためにも、今こそ京都府や京都市のように、自転車による交通事故減少やマナー向上を目指し、自転車の安全運転で観光客にもてなしの心を掲げるなどした、本県の安心、安全な自転車の利用を促進する内容の条例を制定すべきと考えますが、環境生活部長のお考えをお尋ねいたします。
〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕