熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
・財政健全化への決意と取り組みについて
◆(城下広作君) 二十一世紀に向けた知事の思いは伝わってまいりました。今後県政のリーダーとして潮谷知事のかじ取りに大いに期待をしたいと思います。  次に、県財政の健全化の問題についてお尋ねします。  この問題は、今や県政に課せられた最大のテーマであり、県民にとり一番関心の深い問題だと思います。県民の中には、県の財政状況について報道があるたびに、個々においては漠然としたテーマであるだけに、自分たちの生活にどのような影響が出るんだろうといった不安を覚える人は少なくないと思います。  昨年十月に県財政の現状と見通しが公表されました。そしてその内容は厳しいものがありました。このままいけば、今後三年間で一千億を超える財源不足が見込まれ、準用再建団体への転落も危惧される状況が明らかにされました。  これまで、県においては、優しいくまもとをつくる社会システムづくりに向け、福祉の充実や県民サービスの向上に取り組んでこられました。また、躍動するくまもとを築く社会基盤の整備を図るため、新幹線や道路を初めとした各種社会基盤の整備を推進し、さらに、バブル崩壊後の長引く経済不況に対しても、国の数次にわたる経済対策に対応し、県経済の下支えを行ってきました。いまだ厳しい状況を脱してはいないものの、このような取り組みの結果として、景気の状況は緩やかながらも改善の兆しを見せてきております。  さて、今回提案された平成十二年度本予算は、公共事業の前年度並みの確保を初めとした経済対策予算であり、民間需要を中心とした本格的な自立回復の軌道に乗せようとの思いは十分伝わってきます。  しかし、これまでの県の取り組みに対し、総論としては肯定できますが、今まで頼りにし取り崩してきた基金の残高は五十五億円余りとなり、貯金もいよいよ底をついてきました。来年度以降も毎年三百億円余りの財源不足が見込まれるという状況を省みますと、各論についてはまだまだ論議すべきものもたくさんあるのではないでしょうか。  潮谷知事は、県庁一丸となって財政健全化に取り組み、一切の聖域なしにすべての事務事業を見直すとの決意を表明されています。執行部のみならず、議会もまたこの困難な課題に一丸となって取り組まねばならぬと強く感じております。  さて、この財政問題となると、とかく専門用語が多く、またいたずらに数字が羅列されることもあり、県民にはなかなかなじみにくい問題でもあります。しかし、県民の汗のにじむ税金を原資として、県民生活の向上や福祉の充実や経済の振興、各種社会基盤の整備を進めていくという公共団体の本来の性格からいいますと、県の施策の方向性や進捗状況、さらには県の財政の状況などを県民に対しわかりやすく説明する必要があると思います。  確かにこれまでも、県においては、地方自治法に基づく財政状況の公表などに取り組んでおられますが、県民にわかりやすく説明するという観点から見ますと、いま一つ首を傾けざるを得ないように思えてなりません。潮谷知事は、県民とのパートナーシップを大切に県政を推進すると宣言されました。このことからも、県の財政状況を県民にわかりやすい形で説明し、県財政の健全化への取り組みについて十分説明し、理解をしていただいた上で進めていく必要があると考えます。  少子高齢社会の本格的な到来、地方分権の進展、長引く景気低迷などの社会経済情勢の変化への対応など、県の役割が増大し、取り組むべき課題が山積している状況の中で、一方、財政を切り詰め、財政の健全化をなし遂げるという相反した命題を確実になし遂げることが今求められております。  知事には、就任早々難しいかじ取りで、御心労も絶えないことと思いますが、開会日の予算説明の中で「県財政の健全化が急務であります。」と力強く語られました。施政方針の中で数回語られた県民とのパートナーシップにより、この難局にぜひ立ち向かっていただきたいと思います。  そこで、財政の健全化に立ち向かわれる知事の決意と具体的な取り組みについてお尋ねいたします。特に、昨日の吉本議員の質問に対する答弁で、財政健全化計画を十月末までに策定すると表明されましたが、その財政健全化計画の策定に向けての具体的な考え方について、県民とのパートナーシップの観点から、知事にお答えいただきたいと思います。   〔知事潮谷義子さん登壇〕