熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
2.水俣病救済策の早期実現について
◆(城下広作君) ありがとうございました。
まず、元気で明るい熊本づくりは、まず知事の骨折が早く治るということが第一番で、そしてしっかりと知事の仕事をやっていただくということだというふうに思います。
また、優先順位で、どぎゃんかせにゃいかぬということは大変多くて、どれが優先的かなということがちょっとわからなくなったこともございますけれども、いずれにしましても、それだけ知事が掲げられたことはすべて重要でございます。特に、やはり力を入れてこの1年間、頑張っていただきたいというふうに思います。
では、次でございます。
水俣病救済策の早期実現について質問をいたします。
公式確認から50年を過ぎてもなお解決に至っていない事態に対して、県議会として、多様な意見が交錯する中、やはり政治的な解決しかすべはないと、水俣病対策特別委員会を中心に問題の解決に向けて動き出したことは、皆様御承知のとおりのことでございます。
こうしたこともあり、昨年12月には、与党水俣病問題に関するプロジェクトチームにおいて、救済策を実現させるための環境整備と認定審査会の再開を同時に行い、救済と紛争解決の第一歩を踏み出すとの方針が示され、あわせて、救済策をまとめるために、被害者の実態調査を平成19年度早々に行うということが示されました。
そして、この与党プロジェクトチームの方針を踏まえ、認定審査会に関しては、従来の委員全員の内諾が得られたということで、先ごろ知事から発表があったところです。
認定審査会も再開に向けて前進しつつあり、これまでたどり着くまでに、知事を初め、特に村田部長、執行部の皆様の努力に対しては敬意を表したいと思います。
しかし、このような水俣病問題解決に向けた動きがある一方で、1,000人以上の方が――裁判による救済を求めていく方々もおられます。
しかしながら、これまでの裁判の例を見ますと、判決が確定するまで相当の長い年月がかかっております。現在の裁判も、既に訴訟から1年以上が経過し、いつ判決が出されるのかわからない状態の中で、国も原因企業も、この裁判についても和解をする考えはないと聞いております。長期化は避けられないのではないかと思います。
もとより、裁判に訴えることは、憲法で保障された権利であり、個人の選択でもあり、だれ人も侵すことはできません。しかしながら、公式確認から50年が過ぎる中、被害者の高齢化が進んでいることも十分考慮すれば、早期解決も重要なことと考えます。
平成7年の政治解決は、被害者の方々の、生きているうちに救済をとの声にこたえて実現されたものであったと思います。全面解決という言葉がありますが、裁判に訴える人がいないことが全面解決であり、それをもってしなければ本来の解決にならないという考え方もありますが、現実に、生きているうちに救済をという切なる願いを無視するわけにもいきません。
昨年12月に、与党プロジェクトチームの副座長である我が党の木庭健太郎参議院議員とともに、裁判に訴える人の多い天草市の御所浦町で、多くの被害者の声を直接伺いました。そこでは、早期救済を求める方々の声が次々と寄せられました。こうした方々に対する救済がおくれることは、決して望ましいことではないと強く感じて帰りました。
いかに新たな救済策を早期に実現できるか、このことが今、行政はもとより、政治にかかわる者に求められているのではないかと公明党は考えております。
現在、与党プロジェクトチームで検討されている新たな政治救済が実現すれば、認定審査会の再開による公健法上の救済に加え、幅広い救済ができるようになります。それが地元で聞いた被害者の希望であり、認定審査会の委員の期待でもあると思います。
今後、新たな救済策の実現に向けて、大きな山を幾つも乗り越えなければならないと思います。そのためにも、執行部と議会が一体となって取り組んでいく必要があります。その上で、まずは環境省が実施される被害者の実態調査について、可能な限り速やかに完了し、早期救済につなげることが肝要ではないかと考えております。
そこで、被害者実態調査にどう取り組まれていかれるのか、また、新たな救済策実現に向け、どのような気持ちで臨まれるのか、知事のお考えをお尋ねしたいと思います。
〔知事潮谷義子さん登壇〕