熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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4.県の観光戦略について
(1)知事のトップセールス |
◆(城下広作君) ありがとうございました。 先ほどの中心市街地活性化法の基本計画に関してでございますけれども、県は、あくまでも熊本市に対してアドバイザーという形で参画をしています。県の、いわゆる一番の顔である熊本市、当然この計画自体は、先ほどからありましたように、法律上は熊本市が出すものでございますけれども、熊本県の中でもまた熊本市は重要な位置であって、法律の枠を超えてでも、アドバイザーという立場ではなく、積極的に熊本市のあり方、それはイコール熊本県のありようにも重要な形になるということで、そこを一歩踏み出す形で、私は関係をある意味ではつくったらどうかなということがあります。そこが、いわゆるアドバイザーで、本当に横からちょっとだけ意見を言って、そしてそれをどうにか聞き入れていただく、このような姿勢ではちょっと弱過ぎるということをしっかりと私は訴えておきたいというふうに思います。 そういう意味では、しっかりと県の方も、一部出資をして、今後のある意味では事業推進に対して協力をしていくということでございますけれども、まだまだ不十分だというふうに私は感じております。 また、先ほど万日山の話もありましたけれども、これはもう何十年と、またいろんな先生方が話をされて、そして今日までまだ具体的に進まないという状況がございます。 例えば、無縁墓地が――私は質問の中に入れておりました。この墓地が1つあるだけで、いわゆる処分をするという、大変な時間がかかります。このことすら今現在できていないわけです。売る売ると言いながら、実際にはすぐは今売れません。これは、法的措置で、いろんな方に、本当に4大紙に広告縦覧を行って、そしてこの無縁墓地の方を探して、そして法的措置をして初めて更地になると。こういうことすらやっていないのに、事業計画が立てられるわけがございません。 まずは、本当にいつでも売れるような状態からやっていくということがないと、ただ事業計画をやりますと言っても、それはやれないということの原因がまだ残っているということは、しっかりと認識をしていただきたいというふうに思います。 ここら辺は、本当に詳しくもっと述べれば、もっとできない、例えば境界の問題だって、これは現実に公簿でもらっただけであって、現場、現実の場所では、隣の所有者の方と確認をする作業が出てきます。これもどれだけの時間がかかるかわかりません。だから、売るといっても、すぐ売れることはまず無理でございます。このこともしっかりと理解をしていただきながら、頑張っていただきたいというふうに思っております。 次に、観光戦略についてお尋ねをしたいと思います。 知事が唱える元気で明るい熊本づくり、何回も言いますけれども、この大きな県政の課題に、間違いなく重要なかぎを握るのが県の観光戦略ではないでしょうか。 言うまでもなく、観光は、人の往来が盛んになればにぎやかになり、元気が出てきて明るくなる、その人を乗せてくるのは新幹線、4年後が楽しみでたまらないとストーリーどおりにいけばよいのですが、今のところ効果的な戦略があるとは言いがたいと思います。 全国のどれだけ多くの人に熊本を知ってもらうか、そして、韓国、中国、台湾を中心とした東アジアの人にも熊本の魅力をさらに知ってもらうか、やはりかぎを握るのは情報発信のあり方が重要だと思います。 特に国内にターゲットを絞った場合、新幹線開業を4年後に控えたり、熊本城の築城 400年記念のイベント等、話題を欠くことはないのですが、もう一つ強力な味方が欠けているような気がしてなりません。それが何なのか模索をしていたとき、気になる情報が飛び込んできました。 それは、3月8日、今週木曜日でございますけれども、議会開会中ではありますが、県立劇場において、午後から、社団法人の全国旅行業協会主催の第4回国内観光活性化フォーラムが行われるということでございます。 いわば、日ごろから観光やビジネスを対象とした旅行プランの専門家たちが、全国から一堂に会する総会で、参加者には、初めての方は、ぜひ熊本の魅力を知っていただき、何回も来られている方は、ぜひ再発見をしていただければ、必ず本県の観光戦略の大切な味方になってもらうかぎを握る相手だと思っております。 ただ、県が、今回の総会を黙って見過ごし、協力もしなければ、せっかくのチャンスも台なしになります。ちなみに、県外からの参加予定者は約500名。もっと多いかもしれません。事業者の方が来られると聞いております。 そこで、質問の第1点目ですが、このような総会こそ知事が参加して、熊本の魅力と今後の協力を取りつけるトップセールスを行う最高の場であり、チャンスだと思いますが、いかがでしょうか。けがをされて大変でございますでしょうけれども。 また、今後一番協力をお願いしたい団体と思いますが、今回の総会で、県の魅力を紹介できるような企画や今後につなげる有効な取り組みは考えてあるのでしょうか。お尋ねをしたいと思います。 同じく、対象者こそ違いますが、7月12、13日に、本県において全国知事会が開催されます。くしくも熊本城築城400年に当たり、全国の知事には、熊本城の新しい魅力をぜひ感じてもらいたいと期待します。本来ならば、本丸御殿が完成していれば、全国知事会の会場になるとさらに話題になったかもしれません。 いずれにしましても、全国知事会の開催県ということで、全国の注目を集め、観光をPRできる絶好の機会には間違いないと思いますが、ここでも本県の観光戦略になると考えておりますが、全国知事会の準備委員会等で何か有効な観光戦略は考えているのでしょうか、お尋ねをします。 第2点目の質問ですが、今回の予算にも計上してあるKANSAI戦略会議について質問をいたします。 私もかねがねから、熊本の観光に大きな影響を与えるのは、新幹線開業後の関西と中国地方との交わりが重要なポイントだと思っておりました。人、物、経済、どれをとっても本県の規模をはるかに上回り、期待は大きく膨らむばかりですが、期待どおりにいくのか、今のところいささか不安です。 九州新幹線の全線開業に向けての新幹線くまもと創りとしてKANSAI戦略会議を立ち上げられましたが、関西・中国地方が求めているものをキャッチして、いかにして関西の人の心をつかむかということが求められているのではないでしょうか。 このKANSAI戦略会議の役割は大変重要だと考えますが、メンバーの選定に当たっては、どのような戦略に基づいて決定されたのか、お尋ねします。 次に、攻めの観光戦略についてお尋ねをします。 熊本の観光資源は語り尽くせぬほどありますが、全国から見ると意外に知られておらず、昨年熊本市が実施したアンケート調査でわかったことに、関東・関西地区等で、熊本を知らないと答えた人が3人に1人いたということです。 大変がっかりしたわけですが、それに発奮するかのように、今、牛深ハイヤを源流とする各地に散らばった民謡、例えば、佐渡おけさ、津軽アイヤ、また阿波踊り等があるんですけれども、この共演をこの熊本で大規模に毎年開催できればと頑張っておられる民間団体があります。民謡の中でも、これだけ全国に影響を及ぼした民謡はまれであると、私も民謡の専門家から教えていただきました。この秋には初めての大会を企画していると聞いております。 このような大会が見事に成功すると、本県のPRはもちろん、山鹿灯籠や熊本市の火の国まつりとまた違った新たな観光客の呼び水になるのではないかと、大会の成功を期待している一人であります。 そこで、今後、このようにして各種の民間団体が積極的に本県の観光戦略の拡大に寄与する取り組みを行った場合、県としてのかかわり方はどのように考えているのか、お尋ねをします。 以上、第1点目は知事に、第2点目は地域振興部長に、第3点目は商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔知事潮谷義子さん登壇〕 |