熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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5.県内誘致企業の雇用形態について
(1)雇用形態の現場と認識 |
◆(城下広作君) ありがとうございました。 知事には、しっかりと全国の旅行業者に、本当に熊本の魅力を体感していただければ、間違いなく、また自分の県に帰り、熊本に新しいパックをつくるような形で頑張っていただける。このことは、結果的には、私たちがPRするというよりは、やはりプロがPRをして熊本に人を連れてくる、これが大事なことだというふうに思いますので、ぜひまた知事も頑張って宣伝をしていただきたいというふうに思います。 また、続きましてKANSAI戦略でございますけれども、特にKANSAI戦略の会議のメンバー、私もメンバーの方一人一人がどうだこうだと言うつもりはございませんけれども、大学の先生方が6名、そして、ほとんどが各種商工、まあいろんな形の団体と言われる会長さん、もしくは専務、理事の方、この方たちも確かに高い見識を持っておられますけれども、もっと民間の、ある意味では現実に今何が要求されて、何が一番本当に興味を持たれて、本当に情報を知りたいというような方々をまだ入れてもいいのではないかというふうに思います。 ある意味では、観光、また一年一年ごろっと内容が変わって、また求めるニーズも変わってくる昨今の状況でございますので、やはり幅広い、現実に即したメンバーを私はもっと入れるべきではないかということで、このメンバーに関しては、仮に変えられないとしても、新たに別の分科会でもっと幅広い方々の意見を取り入れて、本当に今何を売り込むと熊本に人が来るのかという、生きたものを考えていただきたいというふうに思います。 また、ハイヤのことでございますけれども、私が牛深出身だからハイヤということを言っているわけではございません。全国に、これだけ多くの源流となった民謡というのは数少ないというふうに民謡の専門家から聞きました。まさに、佐渡に行った佐渡おけさ、また南に行ったあの阿波踊りと、今その国の大変な郷土芸能として残っているわけでございますけれども、原点は全部牛深ハイヤが原点となり、言葉が変わり、振りつけが変わりということで、それを一堂に会して熊本に里帰りをしたらどうかという企画を組んでいるということでございまして、これがある意味では火の国まつりと同じような形で道中でどんとやると、阿波踊りよりも、逆に言えば私は有名になるんじゃないかと思うし、また、佐渡おけさの佐渡でやるのではなくて、熊本でそれを見れるということで、また全国から人が集まるというようなことにもなる大事な視点ではないかというふうに思います。 そのようなことがまだまだ私たちの知らないところで埋没していると思いますので、そういうものをどんどんと引き上げると、これが新たな観光戦略ではないかというふうに考えています。どうかよろしくお願いを申し上げます。 次の質問でございます。 県内誘致企業の雇用形態についてお尋ねをします。 我が国の景気は、イザナギ景気を超え、しばらくは持続傾向にあると言われています。その背景には、大企業を中心に増収、増益が見られ、一部の企業で日本経済を支えていると言っても過言ではないと思います。 その裏づけとして、大企業が集中する都市部は、不景気という言葉が死語であったかのようににぎわいを見せ、あちらこちらで乱立する高層ビル建設は、好景気の象徴としてそびえ立っているようで仕方ありません。 一方、県内景気に目を向けてみると、少なくとも私が身近に接している友人からは、景気がよくてたまらぬとにこにこ語ってくれる人はほとんど見当たらず、逆に、不景気だと愚痴を言っても始まらぬと自分に言い聞かせ、まじめに働いておけばいつかよくなるだろうと額に汗をかきながらつぶやかれたとき、議員として何かしら無力感に陥るときがしばしばあります。 こうした背景の中で、今、日本全体で個人の生活レベルにおける格差が大きな社会問題となっています。その大きな原因の一つとされているのが、正社員と非正社員の関係であります。同じ労働にもかかわらず、賃金や待遇に相当の開きがあり、雇用期間も不安定で、先が読めないと嘆いている非正社員が近年非常に多いということです。 実際に、私も、自動車部品や半導体関係に勤めている若いメンバーや同世代のメンバーから非正社員の悲哀をよく聞きますし、話の中身から、特に熊本は多いのではないかと感じています。 そこで、私は、県内誘致企業5社の雇用状況を調べてみたところ、ある企業は、従業員総数3,860人のうち1,000人が非正社員で、率にして約26%、もう1社は、従業員総数215人のうち100人が非正社員で、率にして47%でした。 一方で、正社員の率が高い会社も存在し、ある企業は、従業員総数2,489人のうちわずか93人が非正社員で、率としては約4%に満たないほどで、もう1社も、現在社屋の増設中で、完成後はかなりの雇用が見込まれると期待しており、現在は従業員総数83人のうち10人が非正社員で、率にして約12%という結果で、ありがたくも非正社員が少ない企業であります。 残念ながら、従業員総数2,840人を擁するある企業は、雇用形態を公表していないということで、今回数字をつかむことはできませんでしたが、非正社員の率が低ければいいと思っていますが、現状から見ると、ある程度非正社員がいるのではないかと思われます。 この調査で言えることは、誘致企業によって正社員と非正社員の比率にかなりのばらつきがあるということでした。 言うまでもなく、正社員の雇用は、本県経済の向上はもとより、優秀な人材確保や若者を中心に安定した家庭構築の基盤づくりに寄与し、少子化対策にも広がりを見せ、将来の安定した社会保障の基礎が築けます。逆に、非正社員の増大は、格差社会に一層の弾みがつき、労働意欲の低下を招き、社会に対しての不満が増大し、活力ある社会構築は到底望めず、知事の掲げる元気づくり熊本に水を差しかねません。また、不平不満が満ちあふれると、安心、安全な生活が脅かされる事態が急増するかもしれません。 そのようなことから、国も、今国会で、パート労働者の正社員化を促進するパート労働改正案や求人の年齢制限を禁止する雇用対策法改正案など、労働関係の重要法案が数多く出され、論議されています。 昨年は、本県において、過去最高水準の企業誘致に成功したと聞いています。具体的に言いますと38件ということですが、雇用形態はどうだったのでしょうか。大変気になるところです。 そこで、知事にお尋ねします。 第1点目に、我が県の誘致企業における現時点における正社員と非正社員の雇用形態はどのような状況にあるのか、お伺いします。また、その結果についてはどのような認識を持っておられるのか、率直な気持ちをお聞かせください。 第2点目は、今年度の予算案を見ても、企業誘致には積極的に取り組まれていく強い意思がうかがえますが、雇用に関しては、地元優先や正社員での採用として、今まで以上に強く要請されていく決意でしょうか。 また、既に本県で企業活動されている、特に大手の誘致企業に対して、正社員の増加について、県として積極的に取り組むべき雇用問題の重要な課題と思いますが、今後要請していく考えはありますか。 以上2点、お尋ねをいたします。 〔知事潮谷義子さん登壇〕 |