熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
1.政府・与党の経済危機対策について-2

(1)森林整備加速化・林業再生事業
(2)新規就農者支援
(3)緊急雇用創出基金

◆(城下広作君) もう知事には質問がありませんので、のどをしっかり治されてください。結構つらそうでございましたので。あとは、各部長が矢継ぎ早に登壇して、次の順番を控えてウオーミングアップをしていただければというふうに――私も日ごろに増して早口でしゃべって消化していきたいので、よろしくお願いします。
次に、各部の分でございますので、森林整備加速化・林業再生事業(緑の産業再生プロジェクト)ということで、このことについて質問したいと思います。
今回の新経済対策では、とりわけ、農林水産業に多くの予算が配分されていると思います。我が国の食糧自給率の向上、森林整備の充実、水産基盤整備の充実等、どれをとっても早急な対応が必要な事業ばかりです。特に、森林整備事業は、作業従事者の高齢化や後継者不足等で適正に管理されていない森林が全国各地に点在し、本県でも似たような状況にあります。荒れた森林は、災害を招くおそれもあり、時には、生命と財産を脅かし、環境破壊も起こします。森林の持つ多面的機能や財産を有効活用するためにも、今回の事業は非常に大事な施策と考えています。
そこで、国は、今回の事業で森林整備の加速化や林業再生を図るため、一つの選択肢として、川の流れに例えてみれば、川上では、高性能林業機械を導入し、まず間伐を推進する、そのために森林の境界確定を行い、林内の路網の整備を行う、川中では、木材の利用拡大に対応した製材施設及びチップ工場の整備を行い、流通の円滑化を図る、川下では、木材を利用した公共施設やバイオマス利用施設などの整備を進める、このような一連の流れで、木材の安定供給と需要創出を一体的に実現したいと考えているようです。
今回、県下全域でこのような事業ができれば、一気に森林整備が進むと思いますが、予算には限りがあります。川上、川中、川下一体となった効果的な取り組みにすべきと思います。
なお、事業の実施に当たっては、あくまでも公平性を保ちながら効果を上げることが一番大事だと思います。この事業に関しての県の考え方と今後の予定を農林水産部長にお伺いいたします。
次に、新規就農者等の支援についてお伺いします。
今回、担い手育成研修教育施設整備事業が予算化されています。具体的な内容としては、新規就農者や農業経営者に対する研修環境を整備するということですが、昨年から大型企業等のリストラが話題になり、社会問題化しました。日本経済の牽引力となる自動車産業や電気メーカー及び電子メーカーなどの雇用回復も、一気に上昇するとは考えられず、しばらく時間がかかると言われています。
このような状況の中で、御承知のように、都市部で職を失った方、また、定年を迎えた方々、そして若い世代の中で、農業をやってみたい、農業にかかわる仕事がやりたいと希望する人が年々ふえております。中には、農業の現実を知らずして、気持ちだけが先行している人も多いわけですが、農業を真剣に考えている人も決して少なくないと思います。農業は、慢性的人手不足であり、我が国の食糧自給率向上の観点からも、後継者や新規就農者の参入は必要なことだと考えます。
そこで質問ですが、今回、新経済対策の中に、農地の集約化や農地所有者への交付金の交付事業などが行われる予定であります。これらの事業を通して、新規就農者の受け入れ体制のアピールや強化策、また、定住できるような生活支援策など、長期的な取り組みが必要と思われますが、本県の新規就農者に対する今後の支援のあり方について、農林水産部長にお尋ねいたします。
次に、緊急雇用創出基金についてお尋ねをいたします。
景気の底打ち感が見え始めても雇用の改善にはなかなか結びつかず、失業者から、もっと集中的に改善策を打ち出していただきたいとの声も上がっています。
政府・与党は、2008年度第2次補正予算で、解雇や継続中止による離職した非正規労働者、中高年齢者等の生活の安定を図るため、緊急雇用創出事業を創設しているのですが、今日の現状を踏まえて、今回の新経済対策では、さらに基金の積み増しを行い、雇用悪化を食いとめ、景気回復による雇用が創出されるまでのつなぎの効果をさらに高めようと、重点配分がなされました。
特に、今回の事業では、前回に比べて要件の緩和措置がとられ、例えば、雇用就業機会は原則6カ月未満でありましたが、重点配分の介護、福祉、子育て、医療、教育等の更新を1回可能とし、実質1年間雇用を守ることになりました。
県としては、さきの緊急雇用創出基金で既に事業計画を立て、早い分野では早速4月から雇用創出が実施されていますが、今回の基金の積み増しで、さらに雇用の拡大が大幅に見込めると思います。
そこでお尋ねですが、当初の緊急雇用創出事業では、6カ月という規定がありましたが、今回の事業では、重点分野等で1回の更新ができるようになりました。
緊急措置的な雇用対策も現状では必要な対策ですが、一方で、長期雇用に結びつく取り組みも求められています。1年という期間仕事に携わると、その仕事に愛着やなれが出てきて、その後も続けたいとの思いで資格取得の意欲につながると思います。
そういった意味で、今回の重点分野でも、更新は的を射た取り組みと思いますが、そこで、今回の事業では、全体の雇用人数のおおよそ何割を占めているのか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
〔農林水産部長廣田大作君登壇〕