熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
|
6.若者の雇用という問題について
(1)本県における若者の雇用創出について |
◆(城下広作君) ありがとうございました。 この介護問題、公明党は、福祉の党として、全国で10万人のアンケートをとらせていただきました。本当に切実な、当然相談もところどころありながら、私たち県議3名も、直接いろんな施設、また介護当事者、いろんなところに本当に足を運んでいきました。やはりどうにかしてもらいたいという、本当にそういう生の声を聞きまして、今回こうやって全国のデータも含めましてやっておりましたけれども、蒲島知事は、今回の予算でも、この介護問題に対してはよく取り組んでいただいていると、私たちは高く評価をしております。 ただ、どうしてもそれの部分と追いつかないように高齢化率が早い。現実にやっぱり困っておられる方、これをいかに救済するか、これは国を挙げ、また県を挙げ、いろいろと真剣に何か考えていかないといけない大事な問題だと考えております。 今後とも、介護に関しては、公明党としてしっかりと研究をしながら取り組んでまいりたいということも述べさせていただきます。 次に、介護の問題もありますけれども、今、若者の雇用というものも、一方で大変大きな問題でございます。このことについて質問をさせていただきたいと思います。 若者や新卒者の雇用を取り巻く環境は、先が見えない不安で覆われています。昨年は、1月末現在で、全国完全失業率が4.9%、有効求人倍率も0.46倍となり、特に15歳から24歳の若者の失業率は8.5%と、非常に厳しい状況が続いています。 こうした中で、11月末現在の新規学卒者の就職内定状況は、就職氷河期と言われた時期より低く、大学生73.1%と、調査開始以来過去最低となっています。高校生も68.1%と、厳しい状況となっています。 本県でも、特に心配されるのが県内の新規学卒者、1月末現在で、大学生で42%、高校生で76.9%と、大変厳しい状況であります。もちろん、本人や家族、学校関係者は、今現在も仕事を探し続けています。 このように、若者や新卒者が就職にありつけない社会は、やみであり、地獄であり、こうした国は決して未来が明るいはずはありません。ただ、一部で叫ばれている若者の希望する雇用のミスマッチが一つの原因であると考慮しても、全体的に見れば、雇用環境が厳しい状況に何ら変わりはありません。 こうした事態を何とかしなければと、特に新卒者の対応として、全国の学校関係者は、就職率アップのためさまざまな取り組みをされているようです。 例えば、山形県長井市にある山形県立長井工業高校では、地域の学校は地域で育てると、長井市と産業と学校が一体となってものづくり人材育成の取り組みが行われています。具体的に言えば、地元企業48社でつくる西置賜産業会が、工業技術の向上とPRを目的として、2足歩行ロボットの格闘技大会を開催することで、生徒と企業が技術講習への講師派遣や機材、資料の支援のほか、新商品の共同開発など、産業一体の取り組みがうまく進んでいます。決して西置賜産業会も景気がよいわけではないのですが、そのほかの地元企業へ就職の受け入れを強く呼びかけ、商業、農業、金融などを含めた社会全体で強力にバックアップしてきたことで、今年度卒業予定者の8割が県内就職、3月末までに100%内定が見込まれるそうです。 また、広島県では、残念ながら未就職のまま高等学校を卒業する者に対し、300人の募集枠で、国の2次補正により創設された重点分野雇用創造事業の地域人材育成事業を活用して、県内の企業やNPOで受け入れをしてもらい、1年間の就業体験を提供していただき、技能習得や正規雇用につながる可能性も開ける取り組みがなされています。 我が県の取り組みを見てみると、今春の高校新卒者を対象に、4月から50人を県の臨時職員として採用すると先月発表され、過去にない対応として評価したいと思います。 次に、大学生の就職率アップについての取り組みでは、ジョブカフェの大学構内における常設やスタッフの派遣等が行われているようです。 具体的には、沖縄県の琉球大学では、ジョブカフェが常設され、利用者も琉球大学以外の学生や一般若年者も利用している状況があり、岩手県の岩手大学では、週2回開設、県立岩手大学では、月2回のカウンセラー派遣やセミナーを実施しているようです。 本県内の大学では、ジョブカフェの常設の大学はありませんが、若者しごとカウンセラーによる出張相談、出前講座等を実施していると聞いています。 そこでお尋ねしますが、公明党は、昨年12月に、若者の雇用緊急一斉総点検活動を行いました。そこで、以下の点について対応が必要ではないかと結論づけました。 1つ目に、地域の実情に基づいた雇用機会の創出をするため、ふるさと雇用再生特別交付金、緊急雇用創出事業の基金7,000億円をさらに積み上げること、一つ、訓練・生活支援給付金の恒久化及び未就職新卒者に対する同給付の適用拡大を図るとともに、次の雇用へつなげるためのトライアル雇用の拡充や働く場と職業訓練を一体的に提供する雇用つき研修体系の促進を図ること、一つ、新卒者の内定率の低下と就職活動に係る費用負担が非常に重いことにかんがみ、就活応援基金を創設するなど、経済的負担の軽減を図ること、また、ジョブカフェの持つ就職活動のノウハウを教育機関に提供するため、大学構内にジョブカフェ大学出張所の設置を推進すること、一つ、中小企業の求人と新卒者の求職のミスマッチを解消するため、中小企業の求人やその魅力について情報提供を行う政府版中小企業就活応援ナビを創設することの4項目を考えましたが、今後国に要望してまいりたいと思います。 そこで、第1点目の質問ですが、本県における若者の雇用創出について、具体的にはどのようなことを考えておられるのか、お尋ねします。 第2点目の質問は、新卒者の就職についてでありますが、本県として特段の対応をとるべきと思いますが、この3月末までに100%に近づけることは大変厳しいとしても、最後の最後まで支援の手を差し伸べるべきと思います。大学生はもちろんでありますが、特に就職希望の新卒の高校生に関しては深刻な問題です。 経済的な理由で進学できなければ、3月1日に卒業したばかりですが、途方に暮れる人生の始まりとなりかねません。このような状況をつくらないために、卒業した後の高校生の就職支援は、学校側も新入学生の受け入れ準備や異動等で非常に厳しいと聞いていますが、県下には何名の方が就職が決まっていないのか、そして、今後はどのような支援を考えておられるのか、お尋ねをします。 第3点目の質問ですが、3月1日、水前寺のジョブカフェ内に、新卒予定の高校・大学生向け専用コーナーが設置されました。ぜひ利用していただきたい、活用していただきたいと思います。県としては、周知を徹底していただきたいと思いますし、各振興局に設置されたジョブカフェ・サテライト員との連携も図っていただきたいと思います。 また、もう一つの取り組みとして、今国会で公明党が主張した訓練・生活支援給付金制度の対象を新卒者にも拡大することができました。本制度は、本来、雇用保険を受けられない失業者が生活費を受けながら就職訓練を受講できるシステムです。どうしても就職ができなかった場合の大事な受け入れ先だと思いますが、本県の新卒者に対しての周知のあり方についてお尋ねをします。 以上3点、商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔商工観光労働部長中川芳昭君登壇〕 |