熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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6.災害時要援護者対策について
(1)未策定市町村への対応 |
◆(城下広作君) ハザードマップということを知らない方もたくさんおられます。例えば地震などあった場合は、この地域の方は、こういう経路でここに避難をするというような形を図式化したものでございますけれども、せっかく各自治体がつくっているところは、住民にやっぱりしっかりとその効果をわかっていただきたい。このことは、どれだけでも周知徹底することはいいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 また関連で、ずっと防災の関係で質問をさせていただきます。 次は、災害時の要援護者対策について質問をします。 この質問は、平成16年12月の定例会一般質問で取り上げて以来2回目になりますが、その間、我が党の氷室議員を初め数名の方も取り上げられました。 御承知のように、災害時要援護者とは、大地震や洪水等の災害時に、自力で避難することが難しい高齢者や障害者などを指します。 最初の質問では、災害時の災害要援護者への対応を伺い、答弁として、当時の総務部長は「避難対策検討会を早急に立ち上げ」「災害時要援護者の避難体制のあり方についての指針を策定する」「機会あるごとに市町村に対しての働きかけを行ってまいりたい」と答弁がありました。あれから6年がたちました。ところが、現在、県下の災害時要援護者が安心できる体制はまだ完全でないようです。 このような状況は全国的にも見られるようで、政府としては、平成20年4月に策定した自然災害の犠牲者ゼロを目指すための総合プランに基づき、高齢者や障害者などの災害時要援護者の避難支援対策として、平成21年までを目途に、市町村において、災害時要援護者の避難支援の取り組み方針などが策定されるように促進してきました。 このことを踏まえて、平成21年度末現在における各市町村の取り組み状況、これは、全体計画、災害時要援護者名簿及び個別計画の策定状況を調査された結果が公表されました。 そこで、質問に入らせていただきますが、第1点目です。 本県の公表された結果を見ると、全体計画、これは、各市町村が地域の実情を踏まえ、要援護者対策の基本的な方針、要援護者等の対象範囲、要援護者についての情報収集、共有の方法など、災害時要援護者対策の取り組み方針を明らかにするものですが、9市町村が未策定です。 個別計画、個々の要援護者ごとに避難支援者との関連づけ等を明らかにした具体的な計画で、災害時に自治会、町内会、民生委員等が避難支援等を行う際に活用するものですが、5市町村が未着手であります。 災害時要援護者名簿、要援護者の名前等が掲載され、災害時に自治会、町内会、民生委員等が避難支援や安否確認を行う際に活用できるものですが、3市町村が未着手であります。 という結果がわかりました。残念ながら、菊陽町、あさぎり町は、3つともできていませんでした。各市町村、さまざまな事情があると思いますが、犠牲者ゼロの精神を踏まえると、3市町は、他の市町村同様、21年度末に策定完了すべきと思いますが、これまでの県の対応について、まだ策定されていない市町村への今後の県のかかわり方についてお尋ねします。 第2点目の質問ですが、全体計画、個別計画、災害時要援護者名簿が策定できたとしても、今度は、この計画や情報がうまく災害時に活用されるかが問題になります。 平成19年7月16日午前、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6.6の新潟県中越沖地震が発生し、震源地に近い柏崎市では震度6強を観測し、相当な被害を受けました。その際、ひとり暮らしの高齢者で対象者が2,687人いたそうですが、地震発生後2日経過した時点で連絡がとれたのは629人で、23%にすぎなかったそうです。 柏崎市の場合は、名簿作成はできていましたが、個人情報保護の観点から、自治会長、民生委員などには出しておらず、結局市の職員が対応せざるを得ず、地域の混乱もあり、安否を確認することが大幅におくれてしまったという苦い経験がありました。 一方、同じように震度6強を受け、相当な被害を受けた長岡市では、3年前の平成 16年10月23日、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6.8の新潟県中越地震の教訓を生かし、各種の災害支援計画を作成していたため、名簿は民生委員、警察、町内会などに配ってあり、災害時要援護者4,655人のうち同意を得た3,236人に、民生委員が対象者を一人一人巡回したことで、発生当日中には問題なしと判断ができたそうです。 このようにして、全体計画、個別計画、災害時要援護者名簿が作成されているかで、いざ災害が起こったとき、結果が大きく違ってきます。 そこで、現在県下の市町村が策定しているさまざまな支援計画等は、住民の理解や周知が徹底されているのでしょうか。また、要援護者名簿の管理は、各市町村どのように対応されているのか、お尋ねをします。 第3点目ですが、新潟県中越地震で長岡市が見事な災害時要援護者の確認ができたのも、自治会や民生委員の活躍がありました。やはり突然襲ってくる災害に、人の確認をする仕事は、日ごろから地域に目を配り、気配りをされている自治会や民生委員の役割が非常に重要だと思います。特に民生委員は、高齢者や障害者、幼児と災害時要援護者と日ごろからかかわりが強く、心強い存在です。 ところが、平成22年8月末現在の県下の民生委員は、あらかじめ必要とされる定数 4,115人に対して4,081人で、34人不足している状況です。聞くところによれば、昨今の社会情勢の中で、児童虐待、高齢者の増加、生活困窮者の増大で仕事がふえ、大変忙しくなり、やめることを希望される方が多いと聞きます。住民の理解も乏しく、活動しにくい状況で、希望者の確保は大変厳しい状況だと思います。しかし、地域のため、社会福祉充実のために必要な人材だけに、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 そこで、県としては、このような民生委員の現状をどのように見ておられるのか、また、今後の民生委員の支援をどのように考えておられるのか、お尋ねをします。 次は要望ですが、あってはならぬがなくてはならない、葬儀屋ではない、有事に関する国民保護法の関連ですが、災害時と同様、要援護者の対応は大変重要なことです。要援護者名簿の共有等、関係部署と連携を密にしていただきたいと思います。 以上3点、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 〔健康福祉部長森枝敏郎君登壇〕 |