熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
1.平成23年度予算案について

(1)県としての景気対策
(2)中小企業金融支援対策
(3)雇用対策
(4)企業誘致の状況

◆(城下広作君) 公明党の城下広作でございます。
きょうは3月3日でございます。皆さんも御案内のとおり、うれしいひな祭りでございます。桃の花が咲き、暖かくなるかと思えば、菅政権が予算案を28日に強行採決しましたので、急に冷え込むようになりました。景気が冷え込まないように願うのですが、「菅の入り」と言いますので、いささか心配をしております。
私も、きょうは大変質問項目が多くございまして、10項目つくったんですが、時間がないから1項目減らしておりますけれども、さらにちょっと時間がないという心配もしております。ですから、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず初めに、平成23年度予算案についてでございます。
ことしに入り、企業経営者、サラリーマン、主婦、高齢者、若者など、大勢の方にお会いしてきました。話題は当然政治談議であります。今の国会は何だ、菅総理は逃げてばかりいるじゃないか、もうあかん、小沢問題を早く決着して正常な国会運営に戻せ、私たちの暮らしをよくしてよと、叱咤激励を受けることばかりでありました。あげくの果ては、県は大丈夫ね、景気も雇用も一つもよくなか、しっかりしてよと、最後は県に振られてしまいます。
より具体的に紹介しますと、例えば、経営者は、仕事の減少で銀行は融資をしてくれない、今借りている支払いさえ滞るおそれがあり、いつまでもつかわからない。サラリーマンは、昨年の暮れのボーナスカットで住宅ローンが払えない、今後、給料が上がるどころか、下がるおそれがある、家を手放すしかない。また、高齢者は、年金が下がって困っている、それも黙って通帳から引いとらす、これ以上年金が下がったら生活できぬ、逆に年金を上げてよと懇願をされます。若者はもっと深刻です。今、失業しています、仕事がありません、何かありませんかとお願いする若者。ことし卒業の大学生や高校生の内定率は60%台で、3人に1人は仕事が決まっていません。4月から何をしようか、迷っていますとの話ばかりでした。そして最後に、主婦は、先ほど挙げたことにほとんど関係することから、顔をこわばらせ、政治が悪か、政権をかえんといかぬ。
蒲島知事、これが私が現場を歩いてよく耳にした言葉でした。その言葉の背景に、依然高い失業率と仕事の減少、雇用の悪化など、先行きの見えない不安感が不満を増大させているようです。
こうした状況の中で、多くの県民は、どこの県よりも早く景気回復と雇用の改善を願っています。その期待は、特に新幹線全線開業による経済効果と本年度予算案による景気・雇用対策でありました。
そこで、蒲島知事にお尋ねしますが、まず初めに、景気対策が急務だと多くの県民はよく言います。しかし、景気対策といっても、国の予算に左右される県にとって、そう簡単にできるものではないと承知しています。では、そのハンディの中で、県として最大限努力してできるとすれば、どのような施策が有効と考えるか、蒲島知事にお尋ねします。
次に、県内の中小企業を大きく支えてくれた金融支援策に緊急保証制度があります。残念ながら、3月末でこの制度の期限が切れ、政府は、これにかわり従来のセーフティーネット保証制度で対応するとしていますが、緊急保証制度に比べ3割程度対象企業が外れるおそれがあります。今から年度末を迎え、大変資金繰りに困る企業も出てきます。県は、このような企業に対して、どのような対応を講じていくのか、お尋ねします。
次に、県にとって雇用対策も待ったなしの課題です。今回の予算案でも、緊急雇用基金とふるさと雇用再生特別基金を活用し、100億円の事業費で約5,000人の雇用創出につなげていくとしていますが、従来の雇用対策は短期のアルバイトのような形態が多くありました。今求められているのは長期の雇用であり、安定した収入が望める職種です。大変厳しい条件ですが、今回の雇用対策で、このような条件を満たす雇用対策は打ってあるのか、お尋ねをします。
次に、やはり景気回復も雇用回復も、他力本願ではないですが、大企業の県内誘致は大きな魅力の一つではないかと思います。最近、大手企業の業績は、わずかではありますが回復の兆しもあると聞いていますが、円高傾向の先行きが見えないため、生産拠点を外国に進出させる企業もふえつつあると聞いています。これでは、企業の業績は上がっても、日本の雇用回復には何らつながりません。何とか国内にとどまり、日本の雇用回復に貢献してもらいたいと思います。
そこで、お尋ねですが、今年本県で企業誘致が決まっている企業は今のところあるのか、あるとすれば、その数をお示しいただきたい。また、現在交渉中の企業の状況も教えていただきたい。そして、蒲島知事の今後の企業誘致に対する決意をお伺いしたいと思います。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕