熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

5.観光推進について

(1)外国人に対するおもてなしの充実
(2)過去の教訓や歴史に学ぶ観光振興

◆(城下広作君) このG空間情報は、専門家に言わせますと、まだまだいろんな利用の仕方があると。ちょうど我々がよく使うグーグルマップというのがありますけれども、あのグーグルマップの部分に、例えば病院はどこにあると、今自分が緊急で知らないところでけがをした、そうすると、最寄りの救急病院はどこにあるとか、いろんな情報を整理しておけば、例えば自分のスマートフォンから、ここから何キロ先にその病院があるからこうやって行けばいいという形の情報とか、例えば災害の部分とか、いろんな情報を全部積み重ねてマットにしておくと、必要な分だけ重ねていくということができるということで、これは専門的な方々がさらにいろいろと考えていくと、もっとすばらしい使い勝手のあるような形にこれは化けてくるというふうに思います。ぜひとも、これは新たな取り組みとして頑張っていただきたいというふうに思います。
では、最後の質問でございます。
観光について質問をさせていただきます。
日本政府観光局は、先月19日、ことし1月から10月に日本を訪れた外国人旅行者が推計約1,100万人だったと発表しました。これは、過去最高だった昨年の1,036万人を超え、通年では1,300万人前後になるとの見込みのようです。
また、観光庁が発表した平成25年の本県における外国人延べ宿泊者数は、約42万人と過去最高となり、国や地域別で見ると、1位が韓国で約22万人、2位が台湾で約8万人、3位が香港で約3万人だったそうです。やはり近隣諸国の旅行者が多いようで、関係が悪化している相手国との友好関係が改善すると、旅行者数はさらに上がるのではないかと期待をしています。
政府も、日本に訪れる外国人旅行者を2020年に2,000万人とする目標を掲げて頑張っており、同年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックでは、過去最高の外国人旅行者数を期待する関係者は多いと思います。そのときはぜひ、我が熊本県に外国人旅行者が流れ込むような働きかけを今から準備が必要と考えています。
また、それ以外でも、本県に外国人旅行者が見込めるのが、既に決定している女子ハンドボール世界選手権大会であり、候補地に名乗りを上げているラグビーのワールドカップ大会でもあり、そのほかにも熊本市等での国際会議等が考えられると思います。
そのとき、外国人旅行者の熊本での感動が、景色や文化、温泉や食べ物に集中するだけではなく、熊本県民のおもてなしの心にも感動していただくことが重要ではないかと思います。
そこで提案ですが、外国人旅行者がやはり一番苦労するのは言葉の壁であると思います。観光ガイドを雇っていればさほど問題はないのでしょうが、皆が皆ガイドを雇うとは限りませんし、外国人の方は比較的に単独旅行が多いように思います。そのような方が、例えば行く先の交通手段や時間帯を尋ねたり、万が一ぐあいが悪くなれば病院を尋ねたりと、いろんなことが想定できます。
そうした場合、公共交通機関や観光地では、観光ガイドの配置、またはスタッフの充実はもちろんですが、一般の場所でも外国語の会話ができる方の協力が必要になります。
そこで、その問題を少しでも解消する方法として、外国語が話せるボランティアの協力者をふやす取り組みです。
例えば、熊本には留学生がいます。また、本県に仕事の関係で転勤されている方もいらっしゃいます。そして、縁あって結婚などで熊本に暮らしておられる方もおられます。当然、日本人で外国語を話せる人もいます。
そこで、こうした方々に協力をしていただき、ボランティア登録を充実させ、具体的な手伝いは、例えば話せる言葉ごとにバッジの色などを変え、上着など見えるところにバッジをつけていただき、あらかじめ広報などで熊本のバッジの取り組みをPRしておけば、外国の方が何か尋ねたいことがあれば、バッジを見て話しかけがしやすくなります。
具体的には、こういう……(パネルを示す)例えば皆さんの手元にあります、このくまモンをモチーフにして、ウエルカム・クマモトで、私は英語がしゃべれますと。例えば、これは韓国の人気のマスコットらしいんですけれども、韓国のハングル語で、これは、私は韓国語ができますと。こういうものを話せる人がバッジをつけておく。まあ日常的に私に尋ねてもいいよという人は、つけておいて協力していただければ、熊本に来られた外国の方が、その人を発見したときに、何か尋ねたいときはその人に話をするというような関係でございます。
もちろんボランティアは強制ではありませんが、登録された方々が仕事やプライベートでバッジをつけて行動すれば、かなりの確率で外国人に遭遇することが考えられます。まずは、県庁職員で外国語が堪能な方は、バッジを身につけ、もし外国人から尋ねられたら快く対応していただきたいと思います。
このような取り組みがあちらこちらで行われるようになれば、間違いなく外国人からの評価が高まり、熊本のおもてなしが瞬く間に外国人に広がり、本県のリピーターとして成果を上げると思いますが、このようなボランティアのバッジの取り組みによる外国人に対するおもてなしの充実について、どのように考えておられるか、お尋ねします。
次に、歴史に学ぶ観光振興についてお尋ねします。
やはり観光といえば、すばらしい景色やその土地の文化や食べ物がもてはやされます。今観光課が売り出しているふろモーションも、豊かな温泉がある熊本県にはもってこいの企画だと思います。
そこで、私は、全く別の角度からも本県を売り出す企画があってもよいと思っております。それは、過去の教訓を学ぶツアーの考え方です。
例えば、本県では、公害を発症した水俣地域を抱えています。ここで公害の悲惨さを学ぶツアーや白川水害や阿蘇の土砂災害の恐ろしさを今後の教訓に生かそうとする見学ツアーです。
昨今、過去に学ぶことを忘れがちな風潮がある中、熊本に来ることによって、さまざまな教訓を学びとっていただくツアーについて、どのように考えられるか。
以上2点、真崎商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
〔商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕