熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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5.廃棄物処理対策について
(1)水銀フリーの推進 |
◆(城下広作君) 国土強靱化計画の策定は、来年中ということでございますので、しっかり本県の特徴を考えて、策定に努めていただきたいと思います。 では、次の質問でございます。 産業廃棄物対策についてお尋ねをします。 まず初めに、水銀フリーの取り組みについてお尋ねをします。 この質問は、昨年12月議会の一般質問で初めて質問をさせていただきました。今回が2回目になります。 質問のきっかけは、その前年の平成25年10月に、熊本市及び水俣市において、水銀に関する水俣条約外交会議が開催され、蒲島知事が、外交会議前の開会記念式典において、水俣病のような悲劇を二度と繰り返してはならないとの決意から、水銀に頼らない社会を目指す水銀フリー熊本宣言を行い、水銀フリー社会の実現に向けて率先して行動すると発表されたことに大変感動したからであります。 我が国を初め、世界では、水銀使用製品の製造、特定の製造工程における水銀の使用等は現在も行われています。 特に心配されるのが、アフリカなどの途上国では、小規模金採掘に水銀が必要となるため、貧困層が生活のため健康被害を顧みず使用し続けていることです。 水俣病を通して、水銀の恐ろしさは、我が国を初め各国の人々は知っているのですが、製品づくりのため、生活のため、水銀がなくなることはないのです。 こうしたこともあり、現在、水俣条約に締結しているのは、世界で50カ国の締結が必要である中、12カ国にとどまっているのがよくわかります。 しかし、我が国も、ようやく水銀による環境の汚染の防止に関する法律と大気汚染防止法の一部を改正する法律を本年6月12日に国会にて可決、成立させ、6月19日に公布となりました。 これで、我が国も水銀フリーの実現に一歩踏み出し、水俣条約の締結に弾みがつくことと、本県のみならず他県でも水銀フリーの取り組みが広がることを期待しています。 そこで、改めて本県の水銀フリーの取り組みについてお尋ねしたいと思います。 蒲島知事は、水俣病を経験した本県には、日本ひいては世界の水銀フリー社会の実現に向けて貢献する責務がある、本県で展開した取り組みが全国に広がるよう挑戦的に取り組む等の趣旨を述べられ、外交会議以降、国内法の整備がなされる前から、できることからやると強い意欲を示され、先駆的に取り組んでこられました。 その具体的な取り組みが、水銀含有製品の使用削減、代替製品への転換促進や水銀含有廃棄物の回収でした。 (資料示す)どのようなものに水銀が含まれているか、皆さんの手元にありますけれども、このようなものに水銀が含まれています。一番わかりやすいのは蛍光灯でございますし、アルカリボタン、意外と知らないのが朱肉でございます。あと、体温計、血圧計という部分でございますけれども、こういうものに水銀が使われているから、これをいわゆる正しくといいますか、完璧に回収すると、水銀フリーの宣言に一致するということになるわけでございますけれども。 県は、環境省とともに、本年2月、西原村を除く阿蘇保健所管内の自治体の協力を得て、1カ月の期間限定で特別回収を行った結果、水銀式の体温計が414本、血圧計が57本、温度計15本が回収されました。残念ながら、家庭から排出される水銀含有製品で最も数の多い蛍光管は今回対象ではなかったようです。 私は、昨年12月の質問で、県庁の率先垂範の取り組みを尋ねたところ、知事の答弁では、蛍光管の回収について、行政棟本館約5,000基、新館約5,500基、道路照明水銀灯約3,000基をLED照明もしくは省エネタイプに変えると答弁されました。 この答弁から、蛍光管の数の多さを改めて知り、県下の蛍光管の数は相当な量になると想像がつきます。この議会棟も蛍光管から省エネタイプに変えたばかりでございます。 したがって、蛍光管を初め、水銀式の体温計、血圧計、温度計などの回収率が、水銀フリー社会の実現に貢献することは間違いないと思います。 そこで、県下の自治体の平成25年度の蛍光管の回収状況を見てみますと、熊本市外で約120トン、熊本市で約36トンになります。 ちなみに、熊本市の場合は、昨年10月から開始しましたので、本年3月までの実績から推測し、1年分を割り出したものになります。この数字から見ますと、人口の割合からすると、熊本市の数量が極端に少な過ぎるようです。 私は、ことし7月に、沖縄県の那覇市に、回収された蛍光管から、破砕時にはガスと水銀が付着した粉じんを吸い取り、ガラス管は高温で熱処理し水銀を取り出すプラントを見学してきました。油まじりの蛍光管は、油を取り、蛍光管の両端はガスが抜けないよう金属部を手作業で外されており、水銀の飛散防止や収集のあり方が丁寧だと思いました。 那覇市の人口が約31万人、市全体で集まる蛍光管の数量が年間40トンから50トン、この数量から見ても、熊本市の数量は余りにも少な過ぎます。 また、県下の自治体の中では、回収制度がうまく機能していない自治体があると聞いています。これでは水銀フリー熊本宣言に距離があり過ぎるような気がします。 今月2日、グランメッセにおいて、県下の自治体や関係団体の担当者を呼んで、県主催で研修会を行いましたが、自治体等の対応はもちろんですが、重要なことは、県民一人一人に水銀フリー熊本宣言の主人公になってもらうことと、そして県民に納得して回収に協力していただくためには、回収された水銀含有物製品が、安全でより効果的に処理されているか、さまざまな処理方法がある中、処理方法次第では大量の廃棄物になるおそれがあると言われていますが、いずれにしても、県民が納得して回収に協力していただくためには詳しい説明が必要になると思いますが、県の今後の対応を蒲島知事にお尋ねします。 次に、第2点の質問ですが、毒性の強い鉛の処理についてお伺いいたします。 最近、全国のワシ、タカに鉛中毒が発生していると過日の新聞に掲載されていました。原因は、鉛弾が残った鹿などを食べ、鉛中毒にかかるようです。 北海道では、オオワシなどの猛禽類の保護のため、2004年、鉛弾使用禁止の条例をつくり対策を講じているようですが、全国的にはまだ広がりを見せていないようです。 一方、私たち人間の世界では、鉛中毒になるおそれはないのか心配になります。 過去には、水道管や化粧品等が問題になりましたが、では、現在において、鉛含有の可能性の高い物を思い浮かべてみますと、鉛含有の塗料で塗られた塗膜くずや家具、玩具等考えられますが、今現在も製品として出回っているのでしょうか。また、過去に県の橋梁などに塗られた鉛含有の塗膜くずが処理されずに保管されているとも聞きますが、適正な管理はされているのでしょうか。鉛含有の廃棄物処理についてお尋ねをします。 次に、第3点目の質問ですが、太陽光パネルの将来にわたる廃棄物処理についてお尋ねをします。 2012年、国の固定価格買い取り制度が導入されてから、個人や事業者にかかわらず、県下でも太陽光パネルの設置が飛躍的に伸びました。 県議会でも、太陽光パネル導入に関する質問も目立ち、私も、今月オープンする南関町の産業廃棄物最終処分場の屋上に太陽光パネルの設置を提案した経緯がありますが、県民発電所構想の第1号として運転するようにもなり、期待も膨らむところでありますが、最近になり、将来の問題として、太陽光パネルの寿命が来た場合の大量の廃棄物の処理のあり方と場所の確保が心配されています。 ちなみに、熊本県の太陽光発電の設備認定量の全国に占める割合は約3.7%で、これから試算すると、県内のパネル廃棄量は、2020年に約110トン、2030年には約1,100トン、2039年には約2万9,000トンに上ると見込まれています。パネル内には、先ほど述べた鉛も含まれています。 このようなことから、国も後手の対応になるのですが、平成27年度中に太陽光発電設備の撤去・運搬・処理方法に関するガイドラインを策定する予定と聞いていますが、全国的にも太陽光発電の普及率が高い本県において、水銀の対応と同様、早い段階での対応策を考えるべきと思いますが、今後の県の対応をお尋ねいたします。 2点目、3点目は、田代環境生活部長にお尋ねをいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕 |