熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
6.県の観光戦略について

(1)「温泉アイランド九州」の取り組み
(2)クルーズ船の対応
(3)ミラノ博の対応
(4)県観光物産館

◆(城下広作君) 豊かな暮らしをするために人間が考えたものが、最終的には廃棄をしなきゃいけない。その処理のほうは永遠の課題でございます。ぜひ、いろんな廃棄物、しっかりとまた将来を見据えて考えていただきたいと思います。
次に、県の観光戦略について質問いたします。
観光問題については、私は、質問の機会があるごとに取り上げてきました。それは、本県が、歴史や文化、景観や温泉、また、豊かな農産物を生かした食など、どれをとっても他県に負けない魅力を持っているからであります。
そして、これらの資源を生かし切ることで、国内外の人々は、本県に訪れ、満喫していただき、その数が多くなれば多くなるほど地元は沸き立ち、経済活動も活発になり、恩恵を受けられると考えるからであります。そして、それは、今後取り組む地方創生にも大きな成果をもたらすと確信をしています。
こうした中、本年6月12日、太田昭宏国土交通大臣は、急増する外国人旅行者を地方へ呼び込み、地方創生の起爆剤にするため、外国人旅行者向けに7つの広域観光周遊ルートを認定したと発表がありました。
この取り組みは、外国人観光客が東京や京都などに偏っている訪問先を地方に拡散する狙いで、観光庁が創設しました。
選考に当たっては、伝統文化や自然といった魅力を外国人にアピールできるテーマ性やストーリー性を重視し、認定された地域に対しては、国が多言語表示やトイレの補修、無料公衆無線LANの設置、交通アクセスの円滑化などの受け入れ環境整備と海外への情報発信を支援するとなっています。
観光に力を入れる地域にとっては願ってもない事業で、自治体や経済界、観光団体などで構成する12地域の協議会から応募があり、7地域が選ばれ、その一つに九州の温泉アイランド九州が認定されたわけです。
あとは、この認定を弾みに、国が目指す2020年までに訪日客を2,000万人にふやす取り組みとうまく連動できるかにかかっていると思います。
そこで、質問の第1点目ですが、この温泉アイランド九州広域観光周遊ルートは、文字どおり本県だけで取り組むことはできません。
また、今回、7つの認定のうちの一つである北海道の「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」と銘打った広域観光周遊ルートは強力なライバルでもあります。
それに、北海道以外のほかの5地域も、それぞれ魅力があり、手ごわい相手ですが、ここは、火の国九州、力を合わせ頑張ってもらいたいと思いますが、私は、豊かな温泉に恵まれた県として、特に九州の中でリーダーシップを発揮し、九州に、特に熊本に観光客を呼び込めればと思いますが、今後どのような対応をされようとしているのか、お尋ねをします。
次に、質問の第2点目ですが、御承知のとおり、本年に入り八代港で外国籍の大型クルーズ船の寄港が話題になっています。まるで県庁の建物がそのまま船になったみたいで、その大きさと迫力に圧倒された方も少なくないと思います。
また、それに倍して驚くのが、乗客、乗組員の数で、1回の寄港で2,000人から4,000人に上り、ほとんど中国人や台湾人で、バスを50台から100台ほど貸し切り、大型ショッピングモールや阿蘇や熊本城へと繰り出していかれるそうです。
それに、中国人観光客の買い物にも話題が集まり、いわゆる爆買いと呼ばれる大量購入で品切れになる商品もあり、経済効果に大変期待が持てると思います。
ちなみに、本県は豊富な食材もありますので、ぜひ爆食いでも経済効果に貢献していただければと思います。
そこで、お尋ねしますが、八代港への外国籍大型クルーズ船の寄港、本来の主要目的であります貨物港の機能を損なうことがあってはなりませんが、やはりこれだけの観光客が一同に訪れますと、経済効果の面から見ますと、やはり魅力があります。
ただ、問題は、現在までの観光客の行動を見てみますと、買い物は大型ショッピングモールや百貨店、観光地へは阿蘇や熊本城に偏っている気がします。
県下には、そのほかにもすばらしい観光名所がたくさんあり、買い物にあっても、地元商店街を初め、各地域の商店や特産品の購入に期待する方も少なくありません。
観光地や商品購入の選択にあっては、基本的には観光客が決めることですが、県としては、この機会をビッグチャンスと捉え、ツアー会社などを通して、県下の観光名所や特産品のPRに尽力し、幅広い地域に恩恵が受けられるような取り組みが必要と考えますが、具体的な対応はされているのでしょうか。また、開ける可能性はあるのでしょうか。お伺いをいたします。
次に、第3点目の質問ですが、今、イタリアのミラノでは、5月1日から10月末までの日程で、食をテーマとしたミラノ万博が開催されています。開幕から折り返しの段階で980万人が訪れ、大きなにぎわいを見せているようです。
中でも、一番人気が高いのが日本館で、連日長い行列ができ、リピーターも多いと聞きます。やはり和食の魅力がイタリアの人にも認められたようで、地元紙のアンケートでは、万博見学後訪れてみたい国の1位に日本がなったそうです。
そこで、お尋ねしますが、本県も、10月16日から21日まで、石川県や静岡県を初め、本県を入れた5地域で出展すると聞いています。
中でも、10月19日は、熊本の日としてイベントを開催するようですが、日本館が注目されている中、どのような企画で熊本をPRしようとしているのか、また、この大会参加を、今後どのようにして県の観光政策に生かそうとしているのか、お尋ねをします。
次に、第4点目の質問ですが、これは今までに何回も取り上げてきた質問で、最近では、昨年2月の代表質問でも取り上げさせていただいた熊本駅周辺に県の物産館の設置の提案であります。
いよいよ在来線の高架化完了もあと3年後に迫り、その2~3年後にはJR九州も駅ビルを完成する予定となっています。
隣の大分県では、一足早く駅ビルが完成し、ビル内のホテル上階には、温泉県らしく展望温泉が設けられ、宿泊客に大変喜ばれています。私も、9月初めに視察させていただきましたが、大変なにぎわいでありました。
そこで、お尋ねしますが、やはり県都の駅には、観光客を初め多くの乗客が乗りおりします。その中には、熊本の物産品を楽しみにしている方もおられます。
よく耳にする話ですが、他県から来られた方々が口にしているのが、熊本にしては駅の規模が小さいとか、物産品を買おうとしても店舗が少ないし品数も揃っていない等の愚痴めいた話であります。
熊本を訪れ、今から感動を楽しみにしている方々、既に感動を受けられ帰路につく方々、その陸の玄関の熊本駅。やはり駅には、熊本県下の豊富な特産品を土産として買える店舗が豊富にあり、思い出になるような物産館があれば大変喜ばれると思いますが、改めてお伺いします。熊本駅周辺に県の物産館をつくる考えはないのか。
以上4点、蒲島知事にお尋ねをいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕