熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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1.震災復興に向けた中長期的な取り組みについて
(1)震災後の経済の持続的な発展 |
◆(城下広作君) おはようございます。公明党を代表して質問をさせていただきます。城下広作でございます。きょうは3月の3日ということで、ひな祭り、節句の日でございます。大変、質問は11項目ありますけれども、やはりひな祭りの日でございますので、紅一点の宮尾教育長にも質問を1個上げさせていただきたいと思います。また、3日は耳の日ということもあります。大変耳ざわりな話をまた質問させていただきますけれども、私には聞こえのいい答弁をいただきたいというふうに思います。2ページにまたがって発言通告書ありますので、2ページまでたどり着くように頑張りたいと思いますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。 1番目でございます。 震災復興に向けた中長期的な取り組みについて。 昨年3月末、蒲島知事が3選を果たした後、約半月後に熊本地震の被災を受け、その後の蒲島知事の復旧、復興に向けた取り組みは、学者出身という経歴を忘れてしまうほど、その行動力には目をみはるものがあります。 今から約4年前の九州北部豪雨災害で阿蘇地方が大被害を受けた際、大分と通ずる国道57号滝室坂の崩壊がありました。滝室坂の復旧は、本県にとって最重要課題でした。そのとき、蒲島知事は、当時の太田国土交通大臣に会うたびに、粘り強く、滝室坂、滝室坂と訴えられ、太田大臣は相撲経験者でありましたので、恐らく滝室坂、滝室坂の響きは呼び出しのように聞こえ、それが大臣に伝わり、異例の早さでトンネルのルートが決定したのではないかと私は推測いたします。 蒲島知事は、今回の熊本地震でも、石井国土交通大臣が来熊されるたび、また、みずからが上京される際、今度は、国道57号阿蘇大橋、俵山バイパス、ミルクロード、最近では、阿蘇くまもと空港、八代港と必死で訴えられ、これもまた、知事の粘り勝ちで、全ての案件が異例の早さで進行し、復旧、復興につながっています。そのほかにも、経済、住宅、暮らし対策など、今やれることに素早く手を打つ知事の行動力を私は評価したいと思います。 今回の平成29年度の予算案を見てみますと、これまで7,000億台であった予算が8,000億台に膨れ上がっていますが、これは、熊本地震からの速やかな復旧、復興を図るための対応だと理解できます。ただ、懸念することがないわけではなく、県債残高の増加に伴う返済や被災者の今後の暮らし、景気の回復が持続的に維持できるかは未知数のところもあります。 そこで、年頭からの各種調査によりますと、本県の景気は、建設業や卸、小売りなどを柱に、景気の上向きが伝えられています。また、雇用の面でも、熊本労働局の昨年12月の県内正社員の有効求人倍率が1.01倍で、統計を開始した2005年4月以降、初めて1倍を超えたことが明らかになりました。これは、震災後の国の矢継ぎ早の復興支援対策と知事の対応の早さが功を奏し、先ほどの数字にあらわれていると考えています。ただ、問題は、調査で明らかになっている、観光など業種によっては景気の動向に大きな開きがあるようです。 そこで、第1点目の質問ですが、復旧、復興が続く当面は、建設業を中心に経済の好循環を牽引すると思いますが、そう何年も続くものではないと思います。では、今後どのような対策をとり、本県の経済を持続的に発展させようとされているのか、また、震災復興支援の効果が出にくいと言われている観光業等に対しては、今後どのような手だてを考えておられるのか、お尋ねをいたします。 次に、第2点目の質問ですが、今回の熊本地震で心配された一つに、誘致企業の県外撤退がありました。今のところ撤退はないと伺っていますが、それどころか、新規で進出予定の企業もあるとか。これが予定どおり決まると本県の雇用拡大、特に若者の雇用拡大につながる可能性が高いと思います。 そこで、総務省が発表した住民基本台帳に基づく昨年の人口移動報告によると、本県は、転出者が転入者を上回る転出超過が全国2位だったそうです。さらに詳しく調べますと、15歳から29歳の転出超過は5,303人に上っているそうです。昨年の転出超過は震災の影響も考えられますが、若者流出は、進学や就職で県外に出る状況が以前から続いており、慢性的なものです。国が地方創生と叫んでも、都市部、特に東京一極集中は全然変わらず、それどころか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京に投資が集中する中、一極集中がさらに加速することはとめられないのではないかと思います。熊本の未来を担う若者たちが、何とか郷土の復興と発展のためにとどまってくれないものかと切に願うところです。 そこで、本県の人口流出、特に若者の県外流出問題についてはどのような対応を考えておられるのか、以上2点、蒲島知事にお尋ねをいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕 |