熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

2.コロナ禍における本県のこれまでの対応と今後の対策について

(1)これまでの対応の評価について
(2)第2波、第3波を見据えた対策について
(3)感染者等に対する偏見・誹謗中傷への対策について


 では、次、2問目の質問に入らせていただきます。
 ここから、若干時間が押しましたので、ちょっと早めに行きたいというふうに思います。
 コロナ禍における本県のこれまでの対応と今後の対策についてお尋ねをします。
 新型コロナウイルス感染症について、マスコミ等で話題になり始めたのが今年1月初頭のことでした。1月16日に国内初の感染者が公表され、2月3日、横浜港に到着したクルーズ船での集団感染が判明してからは、世間も、次第に騒がしくなりました。
 当時のテレビや新聞、インターネットなどの情報の一部では、過度に恐れる必要はない、正しく恐れることが大事などの意見もあり、正確な実態がつかみづらく、戸惑いを感じる方もいたと思います。社会全体の危機意識も、今とは相当な違いがあったような気がします。
 ところが、2月13日、国内初の死者が発生し、感染者は全国的に増え始め、3月初旬に1,000人を超えてからは、誰もが命の危険を感じるようになりました。その後、3月末には、1日の感染者数が3桁に達し、4月7日、政府は、7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。さらに、16日には、対象が全国へ拡大し、私たちの日常を根本的に見直す、新型コロナウイルス感染症との闘いが始まりました。
 世界各国においても、感染者数は増加の一途をたどり、世界中が人命や経済の危機に直面し、混迷のときを迎えました。
 そんな中、感染拡大を阻止するため、各国のリーダーは知恵を出し、早期の封じ込めに成功した国々もありました。例えば、台湾では、感染者が出始めると、直ちに入国制限と帰国者等の隔離を徹底しました。マスクの流通も、政府が管理し、国民に公平に給付する仕組みを構築し、国民から信頼を勝ち取り、封じ込めに成功しました。また、韓国では、徹底したPCR検査を行い、接触者の追跡調査を徹底し、感染者の症状に応じて療養場所を病院と隔離施設に分けることで、医療崩壊を防ぎ、感染拡大の阻止に結果を出したようです。台湾や韓国、このような対応には、過去にSARSやMERSの流行に苦しんだ経験が生かされていると聞いています。
 国内に目を向けますと、感染の第2波に見舞われた北海道ですが、発生当初、国に先駆けて、独自の緊急事態宣言を出して外出自粛を呼びかけ、国の協力も得て、道民にマスクを届けるなどして封じ込めに成功した例や、和歌山県では、感染者が出ると、国が示した相談の目安とは別の、独自の判断で積極的にPCR検査を行い、感染拡大阻止に大きな成果を出したようです。
 このように、国の方針をただ待つのではなく、有効と判断したことをちゅうちょなく実行して結果を出した事例については学ぶべきものがあると思います。
 そこでお尋ねしますが、今日まで本県も封じ込め対策に尽力されてきました。県内の感染者数は47名と全国的には少ない人数にとどまっていますが、今日までの封じ込めの取組を総括的にどう評価されているのか、お尋ねします。
 また、今の段階では長期間感染者が出ていない状況ですが、世界や国内の一部を見れば、専門家も指摘するように、第2波、第3波が危惧されます。県民の最大の不安は、この危機に尽きると思います。県としては、県民の不安を払拭でき得る第2波、第3波に向けた対策にどのように取り組まれるお考えか、お尋ねします。
 次に、感染拡大阻止に取り組む中、感染リスクが非常に高いにもかかわらず、社会生活の維持のため、絶対に欠かせない職業があります。代表的な例として医療従事者が挙げられますが、そのほかにも、公共交通の職員、スーパーやドラッグストアの店員、意外と気づかないのが、私たちの暮らしから出るごみを回収する従事者など、このような仕事に従事する方々のおかげで、私たちの命を救う治療や自粛生活に必要な食料の調達、滞ることなく行われるごみ収集による公衆衛生などが確保され、今日まで耐え忍ぶことができました。今このような方々への感謝の気持ちを伝える運動が広がっていますが、積極的に推進してもらいたいと思います。
 しかし、残念ながら、一部では、感染の恐怖から、身近に感染者等が出た場合、偏見や誹謗中傷を浴びせるような行動を取る方もおられます。
 そこで、県としては、このような偏見や誹謗中傷の現状をどう捉え、こうした事案についてどのような対策を講じているのか、また、今後県民に対してどのように訴えかけていくのか、お尋ねします。
 以上3点、蒲島知事にお尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕