熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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1.令和2年7月豪雨への対応について (1)球磨川流域における雨量の検証と治水対策について |
◆(城下広作君) 最初の建設型仮設住宅、災害が起こった後、用地を確保する作業をしますと。述べましたように時間がかかりますと、そのために、平時より、万が一あってはならないが、災害があった場合には、我が市町村ではここに災害公営住宅を建てるという備えをしておく、このことが大事だということでございます。 今回は、6割が事前に確保していた用地で建設型の住居を造ることができたということでございます。私は、これがある意味では限りなく100%に近くなるような形で事前に備えておくと、そうすると、一刻も早く建設型が着手できるということにつながると思います。ぜひ、これは、県下の市町村、仮に遅れているところがあれば、そういう考えをもう一度しっかり県もまた話をしていただければ、指導していただければというふうに思います。 それと、近年、人口減少で空き家がたくさん増えている中で、有効利用という言葉はばんばん走りますけれども、なかなか現実になると難しい。また、地方にあっては、誰も住んでいないけれども、そこにはやっぱり人に貸したくない、もしくは、逆に言えば自分たちが年に1回か2回帰るから、他人に貸すことは難しいとかいう状況もありますけれども、こういう災害という条件があれば、それは使ってもいいですよという、そういう心が変わる可能性もあります。こういう運動も、今後は空き家を有効活用するのには、利用することが大事じゃないかなというふうに思います。 そして、住民移転の問題は、大変これは難しい問題で、そこに住んでいる方しか最終的には判断できないことでございますけれども、しかし、いろいろ災害が近年多い中で、極端に言えば山の上に1軒とか、極端に言えば土砂崩れが間違いなく来るだろうという近くにいる人はなかなか危ないから、ちょっと肩をたたいてこちらのほうに移動するということも協議していく、こういうことも少しはあってもいいのかなということで、いずれにしましても、住民の皆さんに寄り添って、希望に応えられるような政策をしっかり県としても今後頑張っていただきたいというふうに思います。 では、災害関連では最後の1点になります。 山腹崩壊を防ぐ森林整備等と太陽光パネル施設の管理についてお尋ねをします。 7月の豪雨災害に当たり、私は、県下で特に被害の大きかった市町村を視察してまいりました。具体的には、県下に10か所の振興局がある中で、7か所の振興局管内の被災現場に足を運びましたが、特に印象に残ったことは、自然林や人工林から成る山々が、山頂から大きく地滑りを起こし、大量の土砂と流木で山肌をえぐり、あるところは人家をなぎ倒し、貴い人命を奪い、悲しみが残る無残な光景でした。 特に、今回豪雨災害が発生した球磨川流域の山々は、人工林が多く、大量の人工林が流木となり河川に流れ込んだ結果、橋などに詰まり、大きな被害を与えました。過去にも、豪雨に見舞われるたびに、全国はもちろん、県下の山々はこのような光景が見られ、多くの犠牲を払ってきました。 そうした被害を受けるたびに、本県は、復旧に尽力し、さらに人工林の間伐や渓流部の危険木の除去等の森林整備も進め、また、森林を守るため、針葉樹や広葉樹が適度に入り混じった森林へ誘導することや広葉樹林化を図るなど、多様な森林づくりにも推進してきたと理解しています。 そこで、第1点目の質問ですが、これまで、様々な方法で、ある程度の災害に耐えられるよう森林崩壊対策や流木対策を取ってこられましたが、最近は、地球温暖化などの影響により、全国的に今までに経験したことがない大規模災害の発生が多くなり、今後ますます増えると予想されています。そうなれば、今後、県内においても、7月に起こった同規模の豪雨災害が十分に起こり得るかもしれません。そのたびに、また同じ被害が発生するのは絶対避けなければなりません。 そこで、今後取るべき対策として、私は、今までに取ってきた森林崩壊対策をさらに強力に推進していくべきと考えていますが、今後の取組方針についてどのように考えておられるのか、竹内農林水産部長にお尋ねします。 次に、第2点目の質問ですが、県下に設置してある1メガ以上の太陽光パネル設備の災害時における安全性についてお尋ねします。 この太陽光パネル問題は、以前、運営会社の倒産等により、太陽光パネル設備の適正管理が行き届かず、最終的には環境破壊の温床になる危険性を心配した質問を行った経緯があります。 ちなみに、私は、太陽光パネル設備の存在について、決して否定的な考えを持っているわけではありません。むしろ、自然エネルギーの有効活用としては、最も身近で優れた利活用方法だと理解しています。ゆえに、管理者は、適正管理に真面目に取り組まなければならないと考えています。 今県下では、1メガ以上の設置の許可を受けているのが263か所あり、そのうち193か所が稼働している状況です。私も、県下を動き回るとき、こんなところにもある、この規模はすごい、こんな斜面に造って大丈夫だろうか、のり面崩壊はしないだろうかと、独り言を言いながら拝見していました。 そこで、7月豪雨により県下の1メガ以上の設置場所での被害状況を調べたところ、8市町村10か所で、パネルフェンスが土砂で埋もれたり、水没したり、また、パネル架台の基礎部分の地盤沈下や敷地内ののり面崩壊などで農道に土砂の堆積を発生させたりと、被害を受けているようです。 やはり、太陽光パネルが設置された場所は、以前は山林や畑地等の場所が多く、こうした場所は、ある程度の雨であれば、浸透能力が働き、被害を受けにくいのですが、大雨の場合は、直接パネルに雨水を受け、浸透する間もなくそのまま地面に流れ込むことから、のり面崩壊等が起きやすい状況となるようです。 そこで、今後起こり得る豪雨に対して、設置者は、より適正管理に努め、大規模災害を招かないような対応及び万が一被害が発生した場合の復旧費用の確保が求められます。それを担保する一つの方法として、行政と事業者との協定があると思いますが、現状では、現在稼働している全ての事業者とは結んでいないと聞いています。これは大変心配な状況だと思います。 太陽光パネル設置箇所の災害等における安全対策については、どのように考えておられるのか、藤井商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 |