熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

3.空港アクセス鉄道の再検討について

 

◆(城下広作君) もう1つ教わったことがありまして、このTSMCは、半導体、前工程と後工程があると言いました。今回のTSMCは前工程、ですから完成ではありません。後工程の作業が必要になります。この後工程は、熊本でできるか、まだ今後課題でしょうが、私も分かりません。問題は、TSMCは、今までこの後工程を外国で行っていたというのがありまして、今回は、政府の経済の安全保障ということで、日本で作ることによって安全保障が保たれるけれども、日本でせっかく作ったのがまた外国で最終的に作られるとなれば、その安全保障というのはちょっと崩れるんじゃないかという、違う角度で心配をしています。中には中国で作っている部分もあるそうです。また、違うアジアの国々でも。最終的には、やっぱり後工程の部分がちゃんと日本でできるようにとか、せめて関係する国々で担保しないと、ちょっとこれは厳しいのではないかという、違う角度の心配もございます。
 また、地下水に関しては、熊本の強みですから、これはこれで大事な部分、企業誘致のときには大事なある意味では材料でございますので、このことは否定するつもりはありませんけれども、その重要性と管理、このことをしっかりと理解していただくということは、熊本の宝という意味で、ぜひ譲れない部分として力強く訴える必要が、私は、遠慮なく言うべきだというふうに思っております。
 では、次の質問をいたします。
 空港アクセス鉄道の再検討についてでございます。
 蒲島知事は、今議会初日の議案説明で、空港アクセス鉄道の再検討を発表しました。理由は、先ほど質問しましたTSMCの菊陽町進出に伴い、セミコンテクノパークへのアクセス向上、県内全域の交通ネットワークの利便性向上につながるよう、現在の三里木ルート案のみならず、より効率的で効果の高いルートについて、スピード感を持って検討してまいるとの説明でした。
 私は、この発表に対して、少し疑問を感じました。それは、そもそも空港アクセス鉄道は、空港と熊本都市圏とを、50年後、100年後を見据え、定時性、速達性、大量輸送に対するための時間と予算をかけ結論を出したものと理解していました。
 そうしますと、今回の再検討の理由の一つであるセミコンテクノパークへのアクセス向上とは、私はあまり関係ないと考えます。あるとすれば、既存の豊肥線の三里木駅、原水駅、肥後大津駅などからの道路による整備で十分でないかと考えます。
 また、今回の決定で、もう1つ気になる点があります。それは、これまで空港アクセスのルートの決定に至るまで、空港アクセス検討委員会の方には大変お世話になったと思います。この委員会の方々の今回の反応はどうだったのか、気になります。
 また、知事は、今後スピード感を持って検討してまいると言われましたが、今後検討するに当たり、検討委員会の在り方についてはどのように考えておられるのか、メンバー構成も含めお尋ねいたします。
 以上2点、蒲島知事にお尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕