熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

2.新型コロナウイルス対策について

(1)ワクチンの効果と若い世代の接種率について
(2)ワクチン接種の副反応・コロナ罹患後の後遺症への対応について
(3)社会的弱者に向けたコロナ対策について
(4)これまでのコロナ対策の総括について


◆(城下広作君) 経済的復興に関しては、地震から6年たって、その間にコロナ、また、熊本水害と、こういう形があって、若干、やはり元に戻るというのが時間がかかるという方も現象的にあったのかなというふうに思います。しかし、しっかりといろんな経済支援をしていただいたおかげで、たくさんの方がある意味では復興していくと流れができたと思いますけれども、まだまだ中には、本当に6年前の状態に戻れない、そういう方もおられますので、我々もそういう方をしっかり見据えながら、支援が必要であればしっかりと訴えていきたいというふうに思っております。
 それと、今回の検証の中で、特に私たちが注目したのは、やっぱり県民の中には、ある意味では追悼、鎮魂の場があったほうがいいという意見が多くありました。それは、各被災地にはいろいろ慰霊碑とかありますが、やはり県民が、ある意味では1か所、例えば県庁に、この近くにある敷地の中にそういう慰霊なんかをやると、県民が県庁に来たときに、そこで6年前の地震を思い出し、二度とこういうふうな苦しいようなことに遭わないようにとか、どうすれば被災を軽減できるかと、そういうことをもう一度検証する、そして亡くなった方に対する鎮魂あるいは慰霊を思い起こすというような形の場所として、私は、ぜひ、やはり中心のこの県庁の敷地の中で考えられればいいのではないかというふうに考えております。
 そして、熊本城の復興、これは、県下のアンケートを取ったときに、熊本市民だけが熊本城のことを強く思うのかと思いましたけれども、決してそうではなくて、ある意味では、県下の全域の方々がそういうふうに思いが強かったというのは大変意外な部分でございました。ぜひ、このことはしっかりと熊本城も支えていただきたいというふうに思います。
 では、次に、2点目の質問に入らせていただきます。
 新型コロナウイルス対策についてでございます。
 9月に入りましてもまだまだ暑い日が続いていますが、今年の夏も、やはりマスクを外す機会は訪れませんでした。次々と変わる新型コロナウイルスの株、やっと覚えたかと思えば、もう古い株、この夏の主流はBA.5でしたが、感染力が強く、新規感染者が瞬く間に過去最高を連日更新した日々もありました。
 これまでの県民の感染者数は、およそ32万人、県民の5人のうち1人が感染したことになります。この数字を見れば、誰が感染してもおかしくないとうなずくような状況でした。ただ、県民の中には、もっと行動規制をかけるべきだった、注意喚起が足りなかったなどという厳しい声も私には聞こえてきました。
 県も、こうした状況を踏まえ、8月2日、全国の都道府県の中でいち早くBA.5対策強化宣言を発令し、感染拡大防止に努めてきましたが、社会経済活動を維持するため、行動規制を国民に求めない方針を政府が打ち出しているため、人流は止められず、感染拡大の抑止にはつながりにくかったと思います。
 では、どうすれば感染拡大や医療逼迫を抑えることができるのかということが話題になるのですが、政府や専門家の意見をまとめますと、やはりワクチンの接種が今の段階では最善の方法と言われています。
 この夏の感染者の状況を見てみますと、20代の若者や小中学生を中心とした子供たちの感染が多く見られました。そして、子供たちの感染から家族の感染に拡大し、学校などでもクラスターが発生した事例も多く見受けられました。
 そこで、本県の3回目接種における年代別の接種率を7月31日現在のデータで見てみますと、20代でおよそ55%程度、12歳から19歳まででおよそ35%という状況でした。比較的感染者が少なかった高齢者層の接種率と比べれば相当低い結果であり、やはりワクチンの接種率と何らかの関係があるのではないかと言わざるを得ない状況でした。
 そこで、第1点目の質問ですが、まず率直に、県としては、ワクチンの接種の効果についてはどのように受け止めているのか、また、20代や12歳から19歳までの若い世代で接種率がとても低いのですが、このような状況をどう捉えているのか、お尋ねをします。
 次に、第2点目の質問ですが、残念ながら、これまでのワクチン接種で、その後、腕の痛みや高熱、倦怠感など、いわゆる副反応に苦しまれる方もおられるようです。また、コロナ陽性になり、その後、味覚障害や倦怠感など、ひどい後遺症に悩まされる方も多いと聞きます。当然、そうした方々は、医療や保健所等に相談されているのですが、ワクチンやコロナ罹患との因果関係等もよく分からないということから、結果的には快方に向かうことなく、日々つらい思いをされている方もおられるようです。
 そこで、このような方々の悩みに対して、県としては、もう少し踏み込んだ相談体制を整えるべきと思いますが、今後の対応についてお尋ねをします。
 次に、第3点目の質問についてお尋ねします。
 どうしても、このように新型コロナウイルスが蔓延しますと、やはり社会的に弱い方が何かと不自由な境遇にさらされることが多々あります。
 今年7月、埼玉に住む県内出身者の女性から御相談がありました。内容は、宇城市に住む母が急に亡くなり、最後の別れでどうしても葬式に参加をしたい、しかし、私自身が透析患者であることから、近隣の数十軒の人工透析の受入れ病院に直接電話しお願いしているが、断られ続けているとのことでした。最終的には、本人が自力で受入れ病院を見つけ、葬式に参加することができたのですが、確かに県内の多くの透析患者がコロナに感染したため、県外の透析患者を受け入れる病院は少なかったと聞きます。こうした場合の対応も今後はどうあるべきか、検討の余地があると思います。
 また、障害児、障害者を抱えている家庭でも、コロナ対応では大変苦労されているようです。
 例えば、障害児、障害者が感染しますと、やはり医療が逼迫している状況では、簡単に病院には入れず、代わりに家族感染を避けるためホテル療養を勧められても付添いが必要なため、結果的に自宅で療養することになり、結局、感染のリスクを避けることはできなくなります。
 そこで、社会的弱者に向けたコロナ対策に今後どのように取り組んでいくのか。
 以上3点について、健康福祉部長にお尋ねをします。
 最後に、第4点目の質問は、新型コロナウイルスの感染が本県で広がり始めてから、およそ2年半が過ぎました。この間、国と連携しながら、ワクチン接種や感染者の救済、医療従事者や事業者への支援、また、8月末には夜間の相談窓口も設置されるなど、県は様々な対応を取ってこられ、本当に知事をはじめ、関係部署の方々は頑張ってこられたと思います。
 そこで、まだ早いのかもしれませんが、今日までの新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けた取組の総括と今後の対応について、蒲島知事の御所見をお伺いいたします。
  〔健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕