熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

8.県営住宅の高層化について

 


◆(城下広作君) 人口減少、少子化対策は、いろんな議員の方々が取り上げられております。また、お互いそういう情報をしっかり共有しながら熊本県も頑張っていただきたい。そのためには、若い人が熊本で働き、そして安定した収入が得られるような環境をつくる、これがある意味では若い人が子供をまたつくっていただく流れになるのではないかというふうに思います。しっかり支えていきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 県営住宅の高層化についてでございます。
 私が受ける県民相談で、県営住宅に関することがよくあります。
 例えば、空き部屋が多く管理費が減収し、個人負担が増えて困る、高齢者が多く、植栽や清掃の作業が大変だ、建物やふすまも畳も古くて改善してほしいなど、挙げれば切りがないくらい、私の場合は、熊本市内の県営住宅にお住まいの方から声が寄せられます。
 また、最近特に多く寄せられるのが、高齢になり、足腰が弱り、階段の上り下りができなくなった、できれば1階に住み替えできないかとの相談です。
 私も、相談などで県営住宅に訪問することが時々ありますが、特に5階などの階段を上り下りするときは、この年になりますと大変です。しかし、高層階に住まれている住民の皆様は、これが毎日のことですから、高齢者や足腰の弱った方からの要望はよく理解できます。
 この県営住宅の問題、過去にも多くの議員から様々な角度で取り上げられてきました。私も、過去に何度か質問しましたが、特に多く取り上げられたのが、建て替えやエレベーターの設置、手すりの取付けなどを記憶しています。
 そのような要望もあり、手すりの取付けについては、ほぼ完了しているようですが、建て替えやエレベーターの設置については、大規模改修で多額の予算を必要とすることから、なかなか進んでいないのが現状のようです。
 県営住宅の中には、建設からおよそ40年から50年たって建物の老朽化が進んでいるところ、さきの熊本地震でさらに老朽化に追い打ちをかけたところも散見されます。また、築年数の古いところは、5階建てのところも多く、当然エレベーターはなく、階段の幅は狭く、救急患者を担架で搬送するのも一苦労するところもあるようです。
 このような状況から、県営住宅の抽選にやっと当たっても、現地を見られると入居を辞退される方が多いと聞きます。これでは空き部屋は増える一方のようです。
 そこでお尋ねします。
 県営住宅の建て替えについては課題も多いと思いますが、一つの方法として提案があります。
 これまでは、県営住宅の建設については、県が直接建設し管理することがほとんどでしたが、最近では、民間が建設し、それを行政が借り受け、公営住宅として住民に貸し出す方法が取られるところもあります。
 こうした場合のメリットは、多額の資金を行政が工面する必要がなく、民間の力を借り、住宅の住まいを確保できるということになります。
 身近な例を見てみますと、玉東町が木葉駅前に民間の資金で建てたアベニール木葉があります。この住宅は、国の制度を活用した地域優良賃貸住宅で、鉄筋コンクリート12階建て、町営住宅として住民に提供しています。当然、エレベーターもついています。そうしますと、高齢の方が低層階でなければ駄目だという問題も解決しますし、幅広い世代にも受け入れられると思います。
 これまでの県営住宅のほとんどは、広い敷地に5階建てが乱立する団地が多くあります。こうした場所を高層階の建物に替え、建物を集約し、残った土地は売却などを行い、建設費などに充てることもできます。
 このようにして、県営住宅の民間活用、また、高層階建築の集約により、余った土地の有効活用などで建て替えも考えられると思いますが、今後の県営住宅の建て替えについての方針を土木部長にお尋ねをいたします。
  〔土木部長亀崎直隆君登壇〕