熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

11.平和ミュージアム構想について


◆(城下広作君) 大変、アリーナとかいろんな形で、県民からも期待が寄せられていますので、ぜひ、いい形で答えが出ればなと期待します。よろしくお願いします。
 それでは、次の質問を行います。
 平和ミュージアム構想についてでございます。
 今年8月15日は、終戦から79年目を迎えます。当時二十歳の方は、今年で99歳になられます。こうして時代が進むにつれて、戦争を体験された方々が高齢になり、直接話を聞く機会も失われています。
 これまで、ドキュメンタリー番組や映画、ドラマなど、戦争の映像を見る機会はたくさんありましたが、その時代に生きた方々の苦しみや悲しみは、経験しなければ到底理解できないことと受け止めています。
 現在、全国で、次世代が、命の貴さ、平和の大切さを学び、人に伝える場として、平和ミュージアム資料館等が数多く建設されています。
 本県での状況を見てみますと、菊池市の菊池飛行場ミュージアム、荒尾市の荒尾二造平和資料館、錦町の人吉海軍航空基地資料館がありますが、いずれにおいても、戦争当時を知る貴重な資料が展示されています。
 そこで、私は、全国の中で公設により運営をしている資料館を視察したいと思い、5月5日に、北九州市平和のまちミュージアムを視察しました。この場所は、旧小倉陸軍造兵廠があった場所で、長崎に投下された原子爆弾の第1目標だったところです。目の前は小倉城がそびえ立ち、隣には市民の憩いの場である勝山公園があります。
 この施設のコンセプトは、「市民の戦争体験や当時の暮らしを物語る資料などを保存・継承していく。」「戦争の悲惨さや平和の大切さ、命の尊さについて考える機会を提供する。」というものでした。
 特に、ダイナミックな360度シアターでは、長崎原爆投下前日の8月8日に八幡大空襲があった様子を物語るアニメ映画は、今でも私の脳裏に浮かんでいます。
 また、5月31日には、大阪市のピースおおさか大阪国際平和センターを視察しました。この場所は、大阪城内にあり、戦時下の市民の暮らしの展示や当時の兵士が家族に宛てた手紙なども展示されていました。
 特に目を引いたのは、B29の大空襲で廃墟となった大阪市内の写真や、その際投下された1トン爆弾の模型、そして、大空襲で貴い命を落とされた方々の銘板が設置されていたことです。
 同じように、平和に関する資料館では、広島、長崎の平和記念館は、皆さんも御承知のとおり、特に有名です。
 ちなみに、熊本市立図書館では、今月4日から16日まで、戦争を伝える絵本やおもちゃなど約30点、そのほか、戦時資料展示会が開催されたところであります。
 そこでお尋ねします。
 今国連が提唱するSDGsの16番目の項目「平和と公正をすべての人に」の中で、「あらゆる場所で、あらゆる形の暴力と、暴力による死を大きく減らす。」と示されているように、戦争という大きな暴力を無くし、世界平和に向け、持続可能な社会実現のためにとの思いで、県都熊本市に戦争と平和のミュージアム設立を目指しておられる団体もありますが、知事の平和ミュージアムの存在についてはどのような認識をお持ちか、お尋ねをします。
 また、県都熊本市に設立を目指す団体は、県などからの行政支援を強く望まれていますが、この点についての知事の率直な考えをお尋ねいたします。
 以上2点、木村知事にお尋ねをいたします。
  〔知事木村敬君登壇〕