熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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・今後の県政運営に対する決意について
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◆(城下広作君) 公明党の城下広作でございます。私は、さきの統一選挙におきまして、熊本市選挙区より出馬し初当選させていただきました。議会人の一員として、先輩の皆様に御指導いただきながら、勉強もし、県政発展のため全力で頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。 新人議員の私に早々と一般質問の機会を与えていただきありがたく思います。何分初めてのことで頭の中が整理されておりませんが、常日ごろ私が素朴に思っていることを愚直にお尋ねしたいと思います。 質問に入る前に、午前中の平野議員の質問の中で、日米ガイドライン法案についての発言がありました。議事録を見ることができず正確に記憶をしておりませんが、私が聞いた範囲で一言コメントさせていただきます。 一つは、平野議員が御指摘のとおり、今までの政府見解では、発言のとおり、周辺の概念があいまいでした。それがより明確になったのが今回の新ガイドライン法案であるということです。二つ目に、国会承認事項となったこと、もう少し発言したいのですが、まずは以上申し上げておきたいと思います。 念のため、我が国の安全と平和を守る立場から、我が党が修正を要求し、修正が実現したことにより、この新ガイドライン法案に自由・自民党の皆さんとともに賛成しました。 それでは、まず福島知事にお尋ねします。 本年は平成十一年、西暦で申しますと一九九九年、いわゆる世紀末と世間では何かと騒がしく、さまざまな角度で話題になっております。確かに、今日の現状を考えてみますと不安になることばかりで、景気対策、失業対策、少子高齢化、環境問題等、どれをとっても緊急な問題で、避けて通れないことばかりであります。 このような問題が渦巻く中にあって、知事の胸中は休むいとまもなく、二十一世紀を視野に入れた県政運営には大変な御心労があると拝察いたします。五月十七日に新県総合計画委員会の初会合が開催されていました。当然、二十一世紀初頭、県政運営の指針となる大切な会合であり、県民の期待も多大なものがあり注目されました。諮問に当たって知事は、ことし一月の知事選で、二十一世紀の新しい扉を開く課題として、経済・景気、基盤、子供・高齢者、環境、そして協働の五つのキーを示した、そうした課題に積極果敢にトライして新しい時代に対応できる計画にしたいと述べられ、活発な審議を要望したと聞き及びます。私も、今後の委員会の位置づけは大変重要だと認識し、見守っていきたいと思います。 私は思います。ここで一番大事なことは、知事が二十一世紀をどのように展望し、中でもみずから挙げられた五つのキーを含め、さまざまな諸問題に具体的にどう対応して、手を打ち、解決していかれるのかにあると思います。知事が今までにない力強いリーダーシップを発揮しない限り、何も変わらないのではないかと心配しているのは私一人ではないと思います。 ここでちょっと現実から目をそらし、歴史をさかのぼってみたいと思います。 今からちょうど百年前、一世紀前の世紀末の熊本はどうだったのでしょうか。西暦で申しますと一八九九年、明治三十二年当時の肥後米の話でございます。世相としては、熊本の第九銀行支払い停止など、九州一円金融恐慌であったようです。今の時代によく似た大変厳しい状態の中、経済の中心的役割を果たしていた肥後米の評価が著しく落ち込み、価格は最低になり、経済の根幹を揺るがす問題に発展していた。具体的には、大阪米穀取引所で合格するものはなく、そのころ九州でも劣等米で名高かった筑後米にも及ばなかったそうです。 古くは江戸時代から、肥後米は、将軍の御供米には、必ずこれ、肥後米を用う、市井においては、ぜいたくなるすし米にのみ用うと言われていたようです。ちなみに、そのときの銘柄は、高瀬米、八代米、川尻米、新地米、いずれも極上、そのうちでも最高であったのが高瀬米であった。高瀬米は、旧高瀬港、現玉名市から積み出される米のことで、産地としては、菊池、七城、山鹿地方の産地米です。 ここまで価格の落ちた肥後米の改良は、当時重要な課題となり、その陣頭指揮を、第三代松平正直知事が、明治二十九年に第一回農業諮問会を開催、第四代大浦兼武知事が勧業諮問会などを積極的に開催をし、肥後米の改良に努め、市場における信用回復に全力で取り組み、その結果、幾多の苦難を乗り越え、官民の努力により、明治四十三年ごろには東京米市場で全国第二位まで上昇したということです。一度落ちた声価を回復するのに約四十年の歳月を要したのであります。 大変厳しい時代背景の中で、経済の主流的立場であった米価の信用回復のため、官民一体となり、獅子奮迅の闘いをした歴代知事、その思いかなって達成した肥後米の信用回復、何か今の時代に欠けているものを感じ、そこにヒントを得られるような史実として心打たれるものがあります。 今まさに日本の未来、なかんずく熊本の二十一世紀初頭の未来は、知事の力強いリーダーシップが不可欠であり、県民だれもが期待をしています。故事に、大将軍憶しければ、つわもの憶病なりとあります。新県総合計画の策定も含めて、今後の知事の県政運営に対する決意をお尋ねしたいと思います。 〔知事福島譲二君登壇〕 |